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ばっちゃん物語

恥ずかしがり屋の赤面症トコちゃん大変身!

◆◆ ばっちゃん物語  第22話 ≪ばっちゃん子供頃のお話し≫ ◆◆
 

■恥ずかしがり屋の赤面症トコちゃん変身!

いつになく、次の朝は青空が広がり晴れ
上がっていました。

いつもより少し遅く起きたトコちゃん。
だって昨夜はおしゃべり好きな信子ちゃんと遅
くまで、語り合ってたから遅くなってしまい

お母ちゃんから2人とも起こされました。

納豆ごはんで朝ごはんを済ましたころ、すぐ上
の兄ちゃんが来て

「佐助が来て神社で待ってるがら
すぐに来いどおー」

そして
「お前が作ったヌガリズボに権太が落じだらし
ぞお」

と言ったのです。

そこで、昨日のことがはじめて思い出されました。

「んーん・・・・なんのこどがなあー」

「そうがー  ああっつ、わがったぞ」

「権太ば、穴さ落じだがあー」

こみあげてくる笑いをトコちゃんは声を押し
殺し考え始めました。

「そういうごどがあー」と小声でいいました。

村外れの神社まで行くと、権太が待っている
のが見えました。

人前では恥ずかしがり屋で赤面症という
トコちゃんですが

場合によってはクソ度胸というか
臆するところがないのです。

怒り心頭で今にも、頭から湯気が出そうな権太

呼び出されたトコちゃんは怒った権太を
見ても意に介せず先に言いました。

「昨日、おれば掘ったヌガリヅボさ勝手に
落じだらしのー」

「自分で落じで、おらが悪いどでも言うのがー」

顔を下から覗き込んで見せました。
そしてとどめの言葉が出ました。

「おめえ、まさかオラのあんちゃんのごどば、
忘れたんじゃねえのがー」

「おめえ、オラのあんちゃんから命ば助けられ
たんでねえのがー・・・」

じつは、いちばん上の兄、源吾は権太から
すると命の恩人なのです。

村の東に大きな平田川が流れています。

そこには5列に並んだ水門があって、川を堰き
止めて田んぼに大事な用水を流しています。

10キロメートルほど下流は最上川。

この堰の周りは魚の宝庫、大物ばかりのフナや
鯉、ナマズの大物、春と秋はヤツメウナギが
良く捕れます。

2キロ下流からは漁業権がありましたが、それ
より上流は農業者の管轄です。

この場所を通称、船戸と呼んでいました。
ここでザッコシメ(魚とり)出来るのは高等小
学校を卒業する年齢の12歳以上から。

水門のある堰が深いので、魚は大物ばかりが
うようよ居るだが、渕になっているので
小さい子には危なすぎました。

権太は10歳の春に禁を犯して密猟して川に流さ
れ、溺れたところを

トコちゃんのいちばん上のあんちゃん源吾に
すんでのところを助けられていたのです。

続く・・・。


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