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ばっちゃん物語

■寒い日は学校でおしくらまんじゅうで暖まる

◆◆ ばっちゃん物語  第26話 ≪ばっちゃん子供頃のお話し≫ ◆◆
 

■寒い日は学校でおしくらまんじゅうで暖まる

残念ながらというか、長いお正月休みも終わり

子供たちは深い雪の中を隊列を組んで

学校へ行く日々が始まりました。

特に吹雪の日は隊列の隙間を出来るだけ少なくして

上級生の体格のいい子を先頭に吹雪に

向かっていくのです。

学校までは子供の足で約40分かかります。

この辺はお米の一大産地だけに農家の耕作面積も

大きいので集落と集落の間合いが広く離れて、遠くなります。

それにしても庄内平野は広い。

広い平野に集落が点在しているわけですが

集落と集落の間が離れています。

それは農家1戸当たりの耕作面積の広さを

表していることにもなります。

集落は小さいので20戸から80戸ほどの規模で点在。

500戸ほどの単位で村という自治体を形成して

各村には村役場と小学校があるのです。

今から2年前、昭和16年からそれまで

尋常小学校と呼ばれていたのが

国民学校初等科に呼び名が変わりました。

少しずつではあったけれど日本の小さな田舎の

この村にも戦争の影が感じられるような

時代といえます。

ここは山形県飽海郡北平田村の

北平田国民学校 初等科2年のトコちゃんは

朝はまだ暗い6時には起きて、7時半に家を出ます。

学校へ行く前にお父ちゃんに牛と馬の餌やりに

ちょっとだけお手伝いをして学校へ行くのが

決まり事になっていました。

雪のある間の農家の朝はそんなに早くはありません。

お父ちゃんは5時半におきて囲炉裏に

火を入れて薪を熾します。

お母ちゃんは飯炊きがあるので5時には起きて

釜戸に火を熾すのが毎日の習わしです。

1月に学校が始まって、すごい吹雪が

2度ありました。

吹雪の日は学校も寒い、そうでなくとも授業には

集中できない性質なのにとにかく学校は

寒くてたまりません。

特に一日中寒い日は休み時間になると

「おしくらまんじゅう」をして、遊びながら

身体を暖めます。

トコちゃんが活躍する時間帯なのです。

しかし気になるのは男の子たち、講堂で休み時間や

お昼休みには騎馬戦したり、相撲を取ったり

頭から湯気を出して熱中していました。

「面白そうだなあ、オラも相撲してえなあ」

トコちゃんが男の子だったらいいのにと思う瞬間です。

ほんとは男の子たちと相撲をしたいのですが

一度、同級の男の子をつかまえて相撲をして

投げ倒して喜んでいるところを運悪くところを

となり村から来ている寺の嫁さん先生に

見つかってしまったのです。

そしてこっぴどく説教されてしまいました。

その上、担任の先生からも注意され

お母ちゃんに知らされたら大変と思って

以来、相撲は止めにしています。

「学校は、めんどうくせーなあ!」とトコちゃんは

つくづく学校が嫌になりました。

続く・・・。


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