2007年10月17日

ハタハタは「猫またぎ」

ハタハタの思い出1

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今では貴重な高級魚ハタハタだが昔は・・・

「猫またぎ」という言葉知ってます?猫も嫌がって食べないものを指します。猫もまたいで嫌がって食べないというモノはさて何でしょうね。
わたしが小さい頃のお話です。

 毎年ミゾレ混じりの晩秋の11月から年末になるとハタハタが食卓に乗るようになります。そうしますと、とても憂鬱な気分で夕食に時間を待つのでした。その頃は昭和30年代の事です。まだまだ、豊かな日本にはほど遠い時代です。
 食べ物に美味いマズイの表現の自由もあまりなく、坦々と、ただ坦々と食事が済みます。次の日も、また次の日も、煮付け、焼魚、煮付け、塩茹で、焼魚・・・。と続きます。年越しが過ぎると干物、一夜干、醤油漬、煮付け、と続きます、実に憂鬱な時間です。

 なんと11月から2月頃まで毎日のようにハタハタが食卓に出るわけですから、見るだけでも、もうイヤになる。子供ばかりでなく親たちも口には出さなかったけどイヤだったんでしょうね。その頃はもう、村中、町中がハタハタの薫りして、匂っていたんじゃないのかなと思います。

 その頃のハタハタを買う単位は箱でしたから、1箱、2箱・・・って、今の1匹、2匹・・・とは違いますよ。
本当は、子供の頃私の憂鬱な悩みは、じつは町中、村中の憂鬱だったことになります。みんながみんな我慢して飽き飽きしながら、「なんか別のモノたべたいなあーっ」て思っていたことが今考えると実におかしく思えてきます。
 時代背景的にはクレージーキャッツの「サラリーマンは気楽な家業ときたもんだ!♪♪♪」とかが流行していた頃かなあ。

 「今日もコロッケ、明日もコロッケ♪♪♪」なんていう歌を聞きながら、「なんて都会は贅沢なんだ。コロッケ食べたいな。サラリーマンは良さそうだ」とか「ハタハタのいない所へ行きたいなあー・・」だってその頃、ハタハタは全国何処でも食べているものと子供心に本気で思っていましたから。

 ところが事情は一変します。昭和の後半から乱獲がたたったのか、めっきり取れなくなって「もうハタハタは食べなくていいんだ」なんて内心喜んでいたら、資源保護とかで禁漁を数年しているうちに、あれよあれよと間にハタハタは、一般の食卓には手の届かない高級魚になってしまいました。
ないものを食べたいのが人の常、今度は「ハタハタのでかいヤツ、食べたいなー」なんていい始める人も出る始末です。


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ハタハタ釣りに集まる群衆が風物詩に
禁漁などの資源保護でハタハタも増えて、沿岸で釣れるまでに回復しつつある


「ふざけんじゃないよ。あんなにイヤだって云ってたくせしてよー・・・」あーあ、なんて人間は手前勝手なんだろーなー。
ところが、事実は小説より奇なり、というか・・恥ずかしながら告白しますと、へっへっ、へえー、
じつは何を隠そう私も「ハタハタ鍋の大ファンでしてー」今は最高に好物っす。

正直、今ではハタハタほど美味しい魚はいないと思っていますから。今ではハタハタの季節を指折り数えて待っておりますですよ。日々、是日新たなり。

投稿者 味の農園 : 17:57 | コメント (0) | トラックバック (0)

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