[2008年02月] アーカイブ
超早出しサクランボの栽培の決め手は受粉にあり (2月16日)

剪定したさくらんぼの枝を受粉用として有効利用
満開のときに大事なのは、なんといっても受粉、交配という仕事になります。
さくらんぼは、1本の樹では受精しない性質、「他家受精」の交配をする果樹なので、例えば同じ品種の佐藤錦は佐藤錦だけでは何十本あっても受精しない性質があり、佐藤錦に対しては正光錦、ナポレオン、紅さやか、といった違う品種が同時に開花しないと受粉がうまく出来ないのです。

蜜蜂は 休まず花粉を受粉樹から運んでくれる
この交配の相性の良し悪しを「親和性」といいますが、相性のいい品種が同時期に開花している事が大事な条件となってきます。ことに、設備投資と暖房コストが高い温室栽培では、限られた空間の中でたくさんの収穫をすることが、大きくコストに関わってきますから、受粉を効率よく行い、たくさんの実を、着果させることが収穫量を高める第一歩になります。

空中の空いた空間を無駄なく使い交配を助ける
そこで、受粉の効率を高めるために蜜蜂を沢山準備したり、毛バタキで人工受粉したり、一番重要なのは、沢山の品種の花を同時に開花させる事に神経を使うのです。
安達さんのアイディアとして、剪定で切落とした色んな品種の枝を集めて樹の周辺にバケツに入れて吊るしたり、満遍なく受粉できるように気を使った管理につとめています。

受粉と湿度は大きな関わりがあるという
山形の果樹農家も高齢化の問題も抱え現実化していることから、喜んでもらえるなら、他の農場の剪定も無料で請け負って受粉樹を確保することも視野に入るなど、積極的に地域の農家に提案するなどして必要な条件を整備して、地域貢献を視野に入れています。
同時に問題解決に向けてできるだけ受粉効率を上げることで収穫量を高める解決策を模索しているのです。

限りない工夫で収穫量を高めて安定した経営を目指す。
今が満開の超早出しさくらんぼの取材に行ってきました。 (2月15日)

この冬いちばんの寒気団が東根市の果樹地帯を包み込む

雪に埋まって静に休眠するさくらんぼの樹
◆◆ 東根市で超早出しさくらんぼを生産する安達さんの場合 ◆◆
休眠期間を最高気温7℃以下1600時間確保する事を目安に通常で10月上旬から約70日12月中旬頃に休眠打破処理(休眠から覚醒させる処理)と同時にビニール被覆する。そして開花まで約2ヶ月、収穫まで約2ヶ月を要する。そして4月に収穫を迎える事ができる。収穫期間は約20日間4月いっぱいの収穫となる。

欠かせないのが暖用ボイラー燃料費が気にかかる
そして、休眠打破処理をずらした温室を3通り準備して4月から5月30日までの2ヶ月を加温ハウスでの栽培、6月上か中旬に出荷できる無加温の温室でも栽培を同時進行していく。
その温室栽培の収穫を終了してからが本番の6月下旬からの最盛期のさくらんぼの収穫、晩生種の収穫と最終的には7月中旬までさくらんぼ栽培を続け、段階的に労働力を長期間に分散した理想的な栽培体系を完成させている。

ボイラーからホースで温風が奥まで送られていく。
開花期の温度設定は15℃、だが16℃以上でないと果樹の生育が進まない。20℃を超えると高温障害による結実が阻害され、収穫に影響する。この間の温度帯で開花受粉を終え、果実の成育を守っていく。この期間、いちばん大事なのは温度と湿度の管理ということのようだ。

休み無く動き回る蜜蜂の活躍が欠かせない

自分の考えにこだわらないで素直な心が大切という安達さん
毎日毎日、さくらんぼの樹と向かい合って会話をしながら日々の仕事を進めていくのが、何より大事と、この道12年の先駆者は自身を戒める。「温室の中だから管理は毎年同じと思われがちだが、それでは失敗する。」「毎年、日照、外気温、湿度はまったく違うから、毎年一年生のつもりで慎重に、素直に学ばないと失敗する事になる」と過去の経験を交えて語ってくれた。

外の雪は現実の世界のように厳しい寒さが当分続く

雨除けハウスのさくらんぼの樹は雪に埋まっている
超早出しサクランボは4月上旬から収穫が始まる (2月13日)

落葉果樹のさくらんぼは秋に花芽をつけたまま落葉して、温度が低くなると休眠して冬を越して、春に一定の気温に達するまで休眠状態を保つと春には花が咲き受粉して果実をつけることになる。
さくらんぼ生産者はこの原理を利用してビニール温室と暖房を利用した促成栽培が展開されるが、肥培管理、温度管理などの高い技術が求められるのは確かだ。
超促成栽培といわれる栽培の原理は、自然の冬の休眠を確保するのは12月以前では不可能なため、人工的に冷蔵庫を使用して人工的に冬を作り出す方法になる。ごく一部の生産者が山形県ではこの方法で1月出荷を実現している。

厳冬期、外は1メートルの積雪、ビニールハウス内はさくらんぼの花が満開

昼の温度は18度前後にして蜜蜂が活動できる温度だ
しかし、自然の冬の寒気で休眠を実現して12月下旬にビニール被服し、加温して2月中旬に開花受粉させて収穫する栽培方法で一番早く収穫できるのは、それよりは当然遅くなるのだが、超早出しサクランボの収穫が始まるのは4月上旬からになる。
これが山形県では人工的な冬ではない自然の冬を利用したいちばん早い時期に収穫できるサクランボになる。
「粟国の塩」効率だけを追い求めた現代の私たちに足りないものは海からの贈物 (2月 7日)

塩は いのちを運ぶ 海からの使者
塩は からだのなかで いのちの海となる
粟国を流れる黒潮は 太陽熱と風と竹で濃縮され
昔ながらの製法で まきで じっくり炊きあげられる
手塩にかけて育んだ命のエキス・粟国の塩
いい塩は人類を救う
私が粟国島を訪れたのは10年ほど前のことと思う。那覇空港からセスナに乗って1時間、ちゅら海を眺めながら、季節は確か季節は春だった。
迎えに出てくれた小渡(おど)さんの宇宙人のような笑顔が素敵な印象的だった。島にはあまり車は多くはない、黄色の車で後方片側のドアは開かないということ、そして1本のタイヤはスペアータイヤだった。また、おどろいた。
もちろん、「粟国の塩」の生産施設を見学。当時は塩田タワーはあったが、まだ生産が始まって1-2年
の頃だったので、今の整った施設とは違っているはずだ。
一通りの見学を終え、小渡さんから島中を案内してもらった。雪国育ちの私は、何処へ行っても青いちゅら海が見えるこの島に感動した。帰りの飛行機の時間までこの狭い島を堪能させてもらったのでした。
そして、タワーからの濃縮海水を煮詰める仕事をしている二十歳前の若い子に声をかけた。
「若い人はこの島にはいないようだけど、君も那覇に行くのか」と聞いた。
頭を振った無口な彼は、「俺はここが好きだから・・・」といった。
あの美しい白い砂浜にはちがう時間がゆっくり流れていると、実感した。
-園主訪問日記より-

これが小渡幸信さん発案の“立体式塩田タワー”だ。汲み上げた水はまずこの塩田タワーを一日約20回通す。タワー内には、竹が何本も逆さにつるされており、その竹づたいに海水は下へ下へと流れていく。

ただ普通の竹を使用しているわけではない。竹にもこだわりが隠れていて、枝がまっすぐで、
平均的に枝がある品種の竹を使っている。その間に水分が風で飛ばされていき、
徐々に海水は濃縮されていく。このときの塩分濃度は約6倍~7倍になっているという。

塩田タワーを通って濃縮された鹹水(かんすい)をこの平釜に移し、20から40時間かけゆっくりと煮詰めていく。常にかき混ぜてやらないと塩が焦げついてしまう他、ミネラルがあまりつかない塩になってしまう。
だからこうしてかき混ぜることによってミネラルをなじませているのである。24時間交代制を行っている。燃料はガスを使わず薪を使用。遠赤外線効果を活用するためだ。
塩が出来上がるとこの脱水槽へ移し、余分な水分を取り除く。この作業だけで3日はかかるという

昔ながらの製法を取り入れ手作業で塩をふるう。そうする事により塩が細かくなり、
ゴミも取り除くことができる。ふるいにかけた後、さらに2日ほど自然乾燥させ、熟成させる。
ここで始めて袋詰めにはいる。細かいごみは取り除かれ、地元の人たちが一つひとつ手作業で
袋詰めを行ない出荷準備をする。

こうして出来上がった塩が、“小渡幸信こだわりの粟国の塩”である。科学物を一切使わず、手作業ですべてを行なうので大量生産はできないが素晴らしい仕上がりになっている。
海から海水を汲み上げて、袋詰めするまで約半月はかかる。

小渡幸信
昭和12年 サイパンに生まれサイパンにて終戦をむかえる。その後 沖縄に戻り米軍施設にて勤務。北中城の貸し家を本土からきたタイル職人に貸す縁で弟子入り。
70年代初めにからだを壊しヨガ道場に通い、玄米食、自然食を学ぶ。
昭和49年故人 谷克彦と出会い塩の研究をはじめる。その後住まいを読谷村に移し、タイル業を生業としつつ海水塩研究施設を作り沖縄の伝統製塩を改良し自然塩づくりに四半世紀をかける。
昭和54年11月に沖縄県よりタイル職人として優秀技能賞を受賞
平成6年5月に日本建築学会学会賞の技能賞を受賞。 タイル職人として数々の賞を受賞するが塩づくりのため廃業。
平成6年9月粟国島に立体式塩田タワーを建設。本格的に塩づくりをはじめる。
平成10年株式会社沖縄海塩研究所へ法人化現在に至る。

製造者 小渡 幸信 さんからのメッセージ
私が塩作りで目指しているものは「健康」です。
ただ作って売る、ということだけでなく、「本物」とはどういうものか、「健康」とはどういうことか。
それを子・孫の世代にまで伝えていくことが、私の仕事なのです。
お取り寄せはこちら
http://www.ajfarm.com/nature_solt.html


おいしさいっぱい、暮らしが元気。