[天然食材] アーカイブ
2008年06月11日
- 今年の庄内浜の岩牡蠣は大型で、しかも品質良し

サイズは中、大、特大がある
とにかくでかいマガキの3倍以上岩牡蠣(いわがき). 庄内浜で獲れる「イワガキ」は、冬場がおいしい「マガキ」とは種類が異なり、夏場(6月~8月)に旬を迎えます。外見的特徴はその大きさ です。とにかく大きい。マガキの3倍以上はあるでしょう。

この庄内浜の海底から鳥海山の伏流水が湧き出ている
岩牡蠣は又の名を「夏牡蠣」とも言います地元住民にとってはずっと前から当たり前だった「夏に食べるカキ」。少し前まではその話をすると、たいていは怪訝な顔をされたものでした。カキといえば冬が旬で、「英語でRのつかない月」には食べられないというのが常識とされていたからです。確かに、マガキは夏場には消耗して旨みがなくなり、生殖巣が成熟して味が落ちるために敬遠されます。
しかし、日本海沿岸の岩礁で育つ天然岩ガキは、春から夏にかけてが旬。マガキとは逆に、産卵を控えて旨みをたっぷり蓄え、身も太って甘みも増します。庄内地方の岩ガキは、遊佐町から酒田市、鶴岡市沿岸の、水深2~40メートルの岩礁に広く生息しています。岩ガキは群れになって岩礁にとりついているため、採られたものも数個ずつの固まりになっているうえにさまざまな海藻や貝を身にまとい、一見してカキとは思えない姿です。一個ずつ剥がして海藻などを取り除き、きれいにしてから出荷されますが、どれもがみごとな大型サイズです。

巣潜り漁で獲る岩牡蠣岩ガキの一番美味しい食べ方は、やはり生。レモンをしぼっても良いし、もちろんそのままでも。口に含んだ瞬間、身体中に海の香りが広がります。まろやかな甘み、そして旨み。「海を食べている」、そんな気持ちにさせられます。
岩ガキが旬を迎えたある日、調査のため現地に赴いた地元のレストランシェフは生ガキ、焼きガキを味わって「庄内の岩ガキは身が大きく、最高級の食材」と驚きを新たにしました。同行した首都圏の料理人たちからも「素晴らしい素材を知った」、「創作意欲がかきたてられる」など、感嘆の声があがりました。

高級食材としての評価は高い
そんな美味しい庄内の岩ガキのなかでも、吹浦産岩ガキは味にうるさい食通をも唸らせる一品として定評があります。それはどうしてなのでしょうか。理由は山にありました。美しく聳える独立峰の西端を日本海へと沈める鳥海山は、大量に降り注ぐ雨や雪を深い森に受け止めます。地中深く滲みこんだ水は、長い年月を経てミネラルやカルシウムなどを含む湧水となって海底に豊富に湧き出し、そして鳥海山からの恵みを含んだ冷たい水は岩ガキの身を肥えさせ、食味を深めるのです。最近では、夏の岩ガキが全国的にも知られるようになり、吹浦産をはじめとする庄内の岩ガキの需要は高まるばかりです。
このため、吹浦港浅海漁業会は、岩ガキの乱獲を防ぎ守り育てていこうと、休漁日を定め、一度の漁で採る個数も一人500個までとするなど資源の保護に努めています。

吹浦港から鳥海山を見る
2008年04月29日
- アクぬきの必要がないので皮をむいたらすぐに調理できるのが黄金孟宗
中国の史話からの取材で,二十四孝の一人,呉の国の孟宗が,雪の中,病気の母が欲しがる筍を探して歩き回り,とうとう掘り当てた姿を現している。孟宗の母は元気を取り戻し伝説となった。

金峰山の裾野に広がる時代小説家、藤沢周平の出身地の湯田川温泉付近の竹林で採れる北限の筍です。早朝、露でひんやりとした竹林に入り、穂先が少しだけ飛び出した若い孟宗だけを狙って掘り起こします。
この孟宗は、なんと!アクぬきの必要がないので皮をむいたらすぐに調理できます。水煮や缶詰などでは絶対に味わえない、「甘みが強くて柔らかい掘りたての新鮮な孟宗」を発送しますので多少の土が付いていることもあります。
地酒「出羽の雪」の吟醸酒粕を利かせた孟宗汁はもちろん、新鮮だからこそさっと湯通しして刺身にしたり、筍ご飯・天ぷら・若竹汁などにしてお楽しみください。
■孟宗の下ごしらえ
孟宗は鮮度が落ちると苦味が出ますので、届いたらすぐに下ゆでしてから冷蔵庫で保存しましょう。

【図1】
1.図の要領で包丁で縦に切れ目を入れて皮をむきます。
穂先の部分は苦味があるので斜めに切り落とします。
底の汚れたところも切り落とします。
2.大きめの鍋に孟宗を入れて、孟宗が隠れるくらいたっぷりの水を入れます。
3.強火にかけて、沸騰したら弱火でやわらかくなるまで煮ます。(20~30分)
4.根元に竹串を指してみて、すーっと通るようになったら火を止めてそのまま自然に冷まします。
(急に冷水をかけると縮んだり割れたりします)
【部位によって使い分ける】※孟宗は部位によって硬さや歯ざわりが違うので、使い分けをしてみましょう。
先端のやわらかい薄皮は、和え物・お吸い物・たけのこ混ぜご飯に。
真ん中はたけのこご飯や煮物・炒め物・天ぷらに。根元は薄切りにして煮物・天ぷらに。※2~3日で使いきる場合は茹で汁のまま鍋で保存できます。
部屋が暖かい場合は、密封容器に水と一緒に入れて冷蔵庫で保存すると長持ちします。毎日水を取り替えましょう。※長期保存する場合は、食べやすい大きさに切ってから茹で汁と一緒に冷凍保存してください。
※茹でた孟宗の節に付く白い粉はチロシンという旨み成分です。害はありません。
■中華風たけのこご飯
■材料(4人前)■
庄内米4合、孟宗1~2本(茹でた物)、鶏ひき肉、生姜、みつば、鶏ガラスープ(中華だし)
煎りごま(白でも黒でも)、酒、しょうゆ、オイスターソース、ごま油1.ご飯をいつもより少し硬めに炊きます。
2.下ごしらえした孟宗をサイの目に切ります。
3.フライパンにごま油を少々入れてひき肉を炒めます。
4.ひき肉の色が変わってきたら、生姜と孟宗を加えて炒めます。
5.火が通ったら弱火にして、酒・しょうゆ・鶏ガラスープ(中華だし)・オイスターソースで濃い目の味付けをします。
6.汁気が飛ぶほどしっかり炒めて、具に味を染み込ませます。
7.ご飯が炊き上がったら、炒めた具と2cmに切ったみつばを入れて切るようにかき混ぜます。
8.お茶碗に盛ったらゴマをパラパラふりかけて出来上がり!※鶏ではなく豚のひき肉を使う場合は、フライパンに出た余分な油をキッチンペーパーで吸い取りながら炒めましょう。
■たけのこご飯
■材料(4人前)■
庄内米4合、孟宗1~2本、その他材料は各家庭でさまざまですが例えば、つきこんにゃく1袋、にんじん1/3本
うすあげ(あぶらあげ)1枚、砂糖またはみりん、酒、醤油、だし汁1.下ゆでした孟宗を食べやすい大きさに切ります。
鍋にだし汁・砂糖またはみりん・酒・醤油を入れて他の材料と一緒に軽く煮ます。
2.米をといで1の煮汁と普通の水の量を入れます。
3.具を入れて軽くかきまぜてから、炊きます。※炊き込み機能のない炊飯器で炊く場合は、炊く前に米を水に浸しておくといいでしょう。
※お米は庄内米を使うとさらにおいしくなります。

味噌をベースに酒粕で味を整える
■孟宗汁
■材料(4人前)■
孟宗1~2本、しいたけ6枚、あぶらげ(厚揚げ)、味噌(白味噌か合わせ味噌)、酒粕、だし昆布1.下ごしらえした孟宗をゆで汁を捨てずに鍋のまま利用します。
2.孟宗を鍋から取り出し、厚めの輪切りにします。
3.鍋にだし昆布と切った孟宗を戻し入れて沸騰させます。(アクが浮いてきたらすくいます)
4.昆布を取り出し、大きめに切ったしいたけとあぶらげを入れて味噌と酒粕少々で味付けます。
5.火をいっそう弱めてコトコト30分くらい煮るか、火を止めて味を染み込ませます。
6.お椀によそったら七味唐辛子をかけて出来上がり!※具が大きいのが庄内風です。
※作りおきして温めながらいただくのも庄内風です。
2008年04月07日
- 月山は宝の山、山形の天然山菜は山里の楽しみ月山筍
月山筍(ガッサンダケ)

残雪の残る険しいところに自生する月山筍出羽三山の主峰であり、古くから山岳信仰の山として知られる月山(1984m)。麓では初夏の装いさえ感じられる頃、その山肌では深い雪がようやく解け始めます。6月、雪解けの水音が響くなか、深い笹薮をかきわけて歩く人たちの姿がみられます。月山筍を採る人たちです。

月山筍は別名ネマガリダケという
月山筍は学名チシマザサ、根元が大きく湾曲することから、一般的にはネマガリタケと呼ばれる笹のタケノコで、主に北海道から東北の山地に自生しています。アクが少なく、独特の風味と甘みがあり、特に月山で採れる月山筍は、その味の良さに定評があり珍重されています。出羽三山のひとつ羽黒山の麓、手向地区に暮らす石井信一さんは、20年以上の経験をもつ月山筍採りの名人。毎年6月になると夜明け前から山に入り、薮をこぎ、沢を渡り、何時間もかけて笹が大群落をつくり自生する採り場に辿り着きます。
同じ山でも立谷沢、東堀越、手向など集落ごとの採り場が決まっていて、その領域に足を踏み入れないことは、暗黙の了解となっているとのこと。また採る人ごとに、それぞれ自分だけが知る秘密の場所があり、長年積み重ねた経験と勘が、収穫を大きく左右します。
山では磁石が効かないことも多く、笹薮のなかでは方角を見失いがちです。熊と遭遇する危険もあります。筍採りには、常に細心の注意が必要なのだそうです。

食べ方は色々、皮のついたまま焼くのが通の食べ方とか
石井さんが一度に採るのは大体25~30kg。売り物になるのは重さ30g、長さ15~24cm程のもの。なかにはごく僅かですが、60gにもなる大きなものもあるそうです。他で採れるネマガリタケと比べると、身が白く柔らかいのが月山筍の特徴。雨が多いと出が良く、柔らかく、いがらっぼさがなくなります。沢の傾斜地には水と養分が集まってくるので太い筍が生えやすく、白大根と呼ばれる程、太く白い上質のものも採れるとのこと。また、根元の皮が植物色素のアントシアニンでピンク色になっているものは、格別に味が良いといわれます。
月山筍が店頭に出回り始めると、庄内の人たちは競って買い求め、粕仕立ての味噌汁や天ぶらなどにして味わいます。最近では皮ごと網で焼いたり、イタリアンなど洋食の材料にも使われたりもしています。山からの恵である月山筍の、年に一度の短い旬を、最大限に味わい尽くす。季節ごと次々に登場する、さまざまな食材の旬をいとおしみ、楽しむ。それもまた、庄内に暮らす喜びのひとつなのです。「食の都庄内を彩る食材たち」より


おいしさいっぱい、暮らしが元気。