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さくらんぼの種類と誕生秘話

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さくらんぼの種類(品種)
さくらんぼの品種は全世界で1000種を超えると言われています。
大きくは、
(1) 甘果桜桃(かんかおうとう)または西洋実桜(せいようみざくら)
(2) 酸果桜桃(さんかおうとう)または西洋酸実桜(せいようすみのみざくら)
(3) 中国桜桃または支那実桜(しなのみざくら)
の3系統に分けられます。このうち、日本で栽培されているのはほとんどが甘果桜桃です。酸果桜桃はほとんど加工用に用いられます。
現在日本で経済栽培されている品種は約30種類ぐらいだそうです。

 
◆◆佐藤錦(さとうにしき)◆◆

さくらんぼ 佐藤錦 1912年に「ナポレオン」と「黄玉」が交雑して生まれたと考えられる日本生まれの品種です。6月中旬から下旬にかけて熟します。形は短心臓形で大きさは中くらい、果皮の色は黄色地に鮮やかな紅色で「赤いルビー」と呼ばれています。果肉は乳白色で、果肉、果汁ともに多くて甘みと酸味の調和がすばらしく、品質は国内最高級です。1990年頃から「ナポレオン」をしのいで生産量も1位となり、今では名実ともに日本のさくらんぼの代表品種となっています。名前は育成者の山形県東根市の佐藤栄助氏にちなんだものです。
 
◆◆ナポレオン◆◆

(別名)ナポレオン・ビガロ(Napoleon Bigarreau)、ロイヤル・アン(Royal Ann)
さくらんぼ ナポレオン日本には1872年にアメリカから導入されました。起源は不明ですが栽培歴は長く、18世紀始めからヨーロッパ諸国で栽培されているという古い品種です。晩生種で、6月下旬〜7月上旬頃熟します。長めの心臓形の大粒で、果皮は黄色に赤い斑を帯びています。果肉はややかたく淡い黄色、酸味はやや強いですが、完熟したものは甘くて濃厚な味です。生食にも加工にも向きます。品種名は、ナポレオンの没後の1821年にベルギー王がナポレオンにちなんで命名したそうです。明治時代の日本では「那翁」と呼ばれていました。
 
◆◆高砂(たかさご)◆◆
さくらんぼ 高砂
(別名)ロックポート・ビガロ(Rockport Bigarreau)、伊達錦
1872年にアメリカから導入された品種です。6月中旬頃に熟します。形は短心臓形、果皮は黄色地に赤みを帯びており、果肉は乳白色です。甘みは中くらいでやや酸味が強いのですが、食味は良好です。核が大きく、果実がやわらかいので輸送中に傷みやすいのが欠点です。
 
◆◆南陽(なんよう)◆◆
さくらんぼ 南陽
1957年、山形県農業試験場で、ナポレオンが自然交雑したものから選抜して育成した品種です。6月下旬頃、「佐藤錦」と「ナポレオン」の合間に収穫されます。
 形は短心臓形の大粒、果皮は淡紅色、果肉は黄白色でややかためです。酸味が少なく、とてもあっさりとした食味は極めて良好で、「さくらんぼの王様」と呼ばれることもあるほど高級な品種です。
 
◆◆黄玉(きだま)◆◆

アメリカ原産で1872年に日本に導入されました。果皮は黄色地に赤斑があり、果肉は乳白色、多汁でやわらかくて甘みが強い良品種です。現在は交配種として残されるのみで市場には出回りません。
 
◆◆紅さやか◆◆
さくらんぼ 紅さやか
1979年に「佐藤錦」と「セネカ」の交雑によって育成した品種で、1991年に品種登録された新しい品種です。収穫が早く、6月上旬〜中旬頃には収穫されます。形は短心臓形の小粒で、果皮は朱紅色を帯び、果肉は赤い色をしています。糖度は高いのですが、酸味もあり、果汁も多くて食味はなかなか良好です。
 
◆◆桜頂錦(おうちょうにしき)◆◆

「佐藤錦」や「ナポレオン」などの混植園で偶然できた品種で、1988年に登録されました。6月上旬〜中旬頃に収穫されます。形は心臓形で、果皮は黄色地に赤い斑を帯びています。果肉色乳白色、ほどよい甘さで酸味は少なく、果汁も多くて食味はすぐれています。

 
◆◆高陽錦(こうようにしき)◆◆
さくらんぼ 高陽錦
「ナポレオン」「佐藤錦」等の混植園で偶然発見された品種で、1989年に登録されました。7月上旬頃に収穫されます。短心臓形で大粒です。果皮は黄色地に赤い斑を帯びています。果肉は乳白色で固く、甘味・酸味ともに多くて濃厚な味です。
 
◆◆大将錦(たいしょうにしき)◆◆
さくらんぼ 大将錦
「ナポレオン」「佐藤錦」等の混植園で偶然発見された品種で、1990年に登録されました。7月上旬〜中旬頃に収穫されます。短心臓形で大粒です。果皮は黄色地に赤い斑を帯びています。果肉は乳白色で極めて固く、甘味が多くて酸味は少なめです。
 
◆◆紅秀峰(べにしゅうほう)◆◆
さくらんぼ 紅秀峰
山形県園芸試験場で「佐藤錦」と「天香錦」を交配して育成された品種で、1991年に登録されました。6月中旬〜7月上旬にかけて収穫・出荷されます。形は横に張った短心臓形で比較的大粒です。果皮は黄色地に赤い斑を帯びています。果肉は黄白色で固く、甘味が多くて酸味は少なめです。
 
◆◆月山錦(がっさんにしき)◆◆
さくらんぼ 月山錦
赤色系の品種がほとんどの中、黄色いさくらんぼとして貴重な品種です。非常に大粒の心臓形で、果皮は明るい黄色です。甘味が非常に高く、酸味は少なくて食味が良好です。栽培が難しく、一本の木からの収量も少ないために貴重な高級品種となっています。

 
◆◆アメリカンチェリー◆◆

「ビング」「ジャブレー」「レーニア」などのアメリカ産さくらんぼの総称です。日本では5〜8月頃に出まわります。国産品よりひと回り大きくて濃紅色の外見と、強い甘みが特徴です。主産地はアメリカ西海岸カリフォルニアと東海岸のワシントン州ですが、最近はニュージーランドからの輸入品もふえています。

◆◆その他のさくらんぼ◆◆
香夏錦
さくらんぼ 香夏錦
正光錦
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さくらんぼ レーニア
マドンナの瞳
さくらんぼ マドンナの瞳
紅てまり
さくらんぼ 紅てまり
天香錦
さくらんぼ 天香錦
山形美人
さくらんぼ 山形美人
 

 

 

さくらんぼ「佐藤錦」の誕生秘話
さくらんぼ「佐藤錦」の誕生秘話20世紀の最高品種といわれる「佐藤錦」はこうして生まれた!
山形県におけるさくらんぼの栽培面積は、約2,500haである。このうち、品種構成では「佐藤錦」が約8割を占めている。 昭和50年代までは、加工向け生産がほとんどであったため、果肉が固く豊産性のナポレオンを中心に栽培され、佐藤錦は雨による実割れが多いため、一部生食向けに栽培されている状況であった。
 山形県は、梅雨時の降雨が全国で最も少ない地域ではあるが、それでも降雨は避けられないため、赤く熟す前の「黄色いさくらんぼ」を収穫していたのである。

 昭和60年代から、パイプハウスの屋根部分にビニールを被覆する「雨除けハウス」が普及すると、完全に熟すまで収穫期が延ばせるため、佐藤錦本来の真っ赤で美味しい食味が出せるようになり佐藤錦への改植・新植が進み、今日の王座を築いたのである。

 佐藤錦は、大正始めに東根市で生まれたが、その誕生秘話を紹介しよう。
 東根町三日町に生まれた佐藤栄助氏は、明治41年に株投資に失敗して家業(醤油醸造)を廃業し、家屋敷を整理し松林を開いて果樹園経営を始めた。
  明治のはじめに、時の政府は欧米から輸入した桜桃(さくらんぼ)を全国20県に配布し、栽培を試みたが、収穫期が日本特有の梅雨の季節と重なるためことごとく失敗し、山形県内で細々と試作されているに過ぎなかった。

 栄助氏は、この苗木数種を買い取り、自分の果樹園に植裁し、当時開通したばかりの鉄道により関東方面に出荷できないかと考え、甘いが果肉が柔らかく保存の利かない「黄玉」と、酸味は多いが果肉が固く日持ちがいい「ナポレオン」を交配し、大正元年ころに質の良さそうな20本を選抜した。
  
 さらに育成試験を繰り返し、大正11年に「食味も日持ちもよくて、育てやすい」新品種の育成に成功し、栄助氏の友人である現・(株)天香園(苗木商)初代、岡田東作氏はこの新品種の将来性を見抜き、昭和3年に佐藤栄助氏の名を取って「佐藤錦」と命名し、世に送り出したのである。

 栄助氏は、「出羽錦」との案を出したが、初代、東作氏は「発見者の名前を入れた佐藤錦がいい」と押し通したといわれており、新品種の育成からおよそ80年、今もさくらんぼの王様に君臨する比類なき特性を持つ「佐藤錦」によって、今日の果樹産業の隆盛を築いたといえるのである。


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