佐藤錦を超える さくらんぼの品種とは|味の農園
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さくらんぼ品種 佐藤錦ほか

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山形県では佐藤錦、紅秀峰、紅さやか、紅てまり、紅きらり、紅ゆたか、紅夢鷹、ナポレオン、南陽、大将錦、月山錦、高砂、正光錦、など約30種類以上が作付されているといわれています。

最近、特に注目されている山形さくらんぼは新品種の「やまがた紅王」です。大きさが500円玉以上のサイズで日持ち良く大きな期待が寄せられています。

 

 佐藤錦を超えるサクランボは


さくらんぼと言えば佐藤錦、20世紀最高の品種と絶賛され、生食用としては他を寄せ付けない圧倒的な支持と人気を得て山形サクランボの王様の地位はゆるぎないように見えますが、ようく見ると本当は欠点が無い分けではありません。


初夏のルビー色の果樹園の宝石に君臨する「佐藤錦」にも 大きな悩みがあります。完熟の佐藤錦の 味は絶品であるが。美味しいものほど命は短く劣化しやすいのです。日持ちが短く過熟になりやすいなど、指摘される欠点もないわけではありません。佐藤錦の栽培品種の構成比が山形県では70%を超えており、佐藤錦の収穫適期に対応しきれない年も出てきました。

 

▼山形さくらんぼの品種構成図

さくらんぼ品種 山形さくらんぼ 佐藤錦

資料:山形県


 


■生産者が感じている佐藤錦の欠点


▼佐藤錦は実が柔らか過ぎるから

 

佐藤錦のおいしさの逆側、実がソフトで皮がうすく糖度が高いため、完熟からすぐに柔らかい状態になりやすい。劣化しやすい。傷み易くデリケート。


▼佐藤錦は日持ちが悪い扱いずらい

 

佐藤錦は皮がうすく糖度が高いのですぐに劣化します。美味しいものほど傷みが早いということです。扱いずらさを懸念します。


▼佐藤錦は収穫期が短期過ぎるから

 

これは佐藤錦の収穫の期間が短すぎることでもありますが、完熟から熟れすぎまでがとても短いことは毎年感じることです。人で不足もあって適期に収穫しきれないときが目立ってきました。


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完熟で傷みがなく美味しいサクランボをお届けするために


 

佐藤錦の欠点を補うためには


またポスト佐藤錦はどんな品種か、候補は紅秀峰、大将錦、紅秀峰、紅てまり、紅夢鷹などに何を望むか。生産者にお聞きしたものをまとめてみました。


▼実を(果皮を)少し硬めに日持ちを良くしたい。日持ちを良くしたい。

 

佐藤錦の日持ちの悪さと、過熟になりやすい弱さを指摘しています。ウルミ果といって熟れ過ぎを懸念しています。 


▼実の粒を大きめに(佐藤錦の実の大きさの平均2-4g大きく)食べ応えの改善。

 

佐藤錦の実の平均の重さが6gとすると8-10g(2Lサイズ以上)これは紅秀峰、紅てまりのような大きさを望んでいるという事でしょう。


▼収穫期が長く6月下旬から7月上旬以降に収穫できるように改良したい。

 

 全体のサクランボの中で佐藤錦の割合が多過ぎて一気に完熟した時の最盛期に収穫が追いつかない、日持ちの悪さのことを示しています。


 

▼晩生種 紅てまりの魅力とは

 

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知名度はないがギフトと美味さ大粒サクランボもある


 

山形さくらんぼの主な品種


ポスト佐藤錦はどんな品種か、候補は紅秀峰、大将錦、紅秀峰、紅てまり、紅夢鷹などに何を望むか。生産者はどんな品種を期待しているのでしょうか。


現状から見ると、紅秀峰が抜き出ています。7月に収穫する晩生種ですが、実が固く日持ちが良いという特徴は魅力です。そして、実が大きくなりやすく2L、3Lも期待できます。欠点は実が着きやすいという性質と逆に霜に弱いとも云われ生産者は選択に苦慮しているようです。


ただ、規模を拡大しようという若い後継者が育っている農家と、これ以上増やせない生産者の高齢化の現実もあり、新しい品種を増やせない理由も一方であります。新しい品種への移行という問題には避けて通れない高齢化、人手不足の問題が根底には課題として残っています。

 


佐藤錦

 

佐藤錦 サクランボ 山形サクランボ

「黄玉」×「ナポレオン」大正元年(1912年)に山形県東根市の佐藤栄助氏がナポレオンに黄玉を交配してできたと推定される品種。命名は同市の苗木商である岡田東作氏が昭和3年に行った。生食用が主体となった昭和50年代以降植栽が増え、最主力品種となっている。

樹姿は直立性で、樹勢は旺盛、花の着生も多く豊産性である。果皮の色は帯赤黄斑色(黄色の地に鮮やかな赤色の着色がみられる果色)で、着色の程度は鮮紅色の発現があり光沢もあり良好。

果実は短心臓形で大きさは6グラム程度であるが、摘果等により10グラム程度の大玉生産も行われている。果肉は比較的軟らかく、乳白色で着色はない。過熟ぎみになると色がくすむ軟化した果実「ウルミ果」がでやすい。



紅秀峰

 

紅秀峰 大粒さくらんぼ 完熟さくらんぼ

 

寒河江市島にある山形県立園芸試験場(現山形県農業総合研究センター園芸試験場)において昭和54年に佐藤錦に天香錦を交配して得られた実生から選抜育成され、平成3年に品種登録された。

 

樹勢はやや強く、樹姿は中位である。枝の発生が多く、花芽の数も良好で、結実良く豊産性である。開花は早く、4月下旬で佐藤錦より数日早い。
果実の大きさは8グラムから9グラムで極めて大果となる。果形は扁円形で縦径より横径が長い。着色は良く、黄色の地に鮮紅色に着色する帯赤黄斑色で外観も良い。

 

果肉は黄白色で硬く、樹上での日持ちは極めて良好。糖度は20パーセント前後で、酸はペーハー3.7から4.0と少なく、甘みは極めて多い。

収穫時期は、6月下旬から7月上旬で、晩生の最有望品種である。



紅さやか

 

完熟さくらんぼ 紅さやか 佐藤錦

山形県園芸試験場において昭和54年に佐藤錦とセネカの交雑により育成した品種。平成3年に品種登録された品種。
樹姿はやや直立で樹の大きさは中、樹勢は強い。枝の発生多く花芽も多く豊産性である。

果実は短心臓形、大きさは6グラム程度で早生としては大きい。果皮は帯朱紅色から紫黒色になる。果肉の色は赤で着色はやや濃い。硬さは中、果汁は多い。甘みは中(糖度15度程度)で酸味は少なく食味良い。

6月上旬に収穫できる早生品種。佐藤錦の受粉樹としても適する。

豊産性で実がつきやすく着色も良い品種。佐藤錦との交配効率も良いと見られるが、食味については評価は低い。

 


紅ゆたか

 

紅ゆたか 完熟さくらんぼ 佐藤錦

山形県園芸試験場において昭和55年にビックと佐藤錦の交雑により育成した品種。平成12年に品種登録された。樹姿はやや開帳、樹の大きさは中、樹勢はやや強である。

果実は短心臓形で10グラム以上と極めて大きい。果皮の色は帯朱紅で着色は良い。果肉は硬く日持ち良く、色はクリームで着色はない。糖度は20度以上で甘く、果汁も多い。

収穫時期は、7月中旬と極晩生種。

 

 


紅きらり

 

紅きらり 完熟さくらんぼ 佐藤錦

山形県園芸試験場において平成元年にレーニアとコンパクトステラの交雑により育成した品種。平成20年に品種登録された。極珍しい自家和合性の品種で、自分の花粉だけで結実する。
樹姿は直立、樹の大きさは中、樹勢はやや強である。
果実は心臓形で8グラムから9グラムと大きい。果皮の色は帯朱紅で着色はやや多である。果肉はクリーム色で着色はない。硬さは中、果汁は多い。甘みはやや多く、酸味は少ない。

 

収穫時期は、6月下旬。

 


紅夢鷹(べにむたか)

 

紅夢鷹 完熟さくらんぼ 佐藤錦

山形県東根市の烏久芳氏が昭和58年に佐藤錦の自然交雑種子を播種し、その実生の中から選抜育成し、平成18年に品種登録された。
樹姿はやや開帳形で、樹の大きさ及び樹勢は中位である。

果実は短心臓形で、大きさはやや大である。果皮色は帯赤黄斑で着色は中。果肉はクリーム色で着色はない。果肉の硬さは中位で果汁多い。甘み多く、酸味は少ない。佐藤錦と比較して、枝梢の色が赤褐であること、核の形が円であることなどで区別される。

 

収穫時期は、6月中旬。



マドンナの瞳(ひとみ)

 

マドンナの瞳 完熟さくらんぼ 佐藤錦

山形県東根市の斎藤善雄氏が昭和50年頃自園にてナポレオンの枝変わりを発見し、以後高接ぎ樹を育成して、平成6年に品種登録された。
樹姿は開帳、樹の大きさ及び樹勢は中である。
果実は心臓形で大きさは大である。果皮色は帯朱紅で着色は多い。果肉の色は乳白で着色はない。果肉は軟らかく、果汁は多い。甘みは中で酸味は少ない。
ナポレオンと比較して果実の外観が心臓形であることや酸味が少ないこと、成熟期が早いことなどで区別される。

 

収穫時期は、6月中旬である。


南陽(なんよう)

 

南陽 完熟さくらんぼ 佐藤錦

山形県立農業試験場置賜分場(南陽市宮内)において昭和32年にナポレオンの実生から育成された。品種登録は昭和53年。樹勢は旺盛で、樹姿は若木のうちは直立性で樹齢が進むと開帳してくる。

若木時には短果枝が少なく結果するのも遅い。開花は5月上旬で、佐藤錦より2日ほど遅く、通常の栽培品種では最も遅い部類である。このことが、結実の悪さに影響している。

果実は8グラムから10グラムの大玉。果形は短心臓形、果皮色は黄色地に淡紅色に着色するが、日陰部が着色しにくく、そのことが難点となる。果肉は黄白色で硬い。

収穫時期は、6月下旬で、佐藤錦とナポレオンの中間の時期


正光錦(せいこうにしき)

 

正光錦 完熟さくらんぼ 佐藤錦

福島県伊達市の佐藤正光氏が昭和52年に香夏錦(佐藤錦×高砂)の樹下で実生を発見、その後育成し、昭和62年に品種登録された。
樹姿は開帳で、樹の大きさは小さく、樹勢は中位である。
果実は短心臓形で、大きさはやや大(平均7.4グラム)、果皮色は黄色赤斑で着色は中である。果肉の色は乳白で着色はない。肉質はやや硬く、ウルミ果は少ない。果汁及び甘みは多く(糖度約16度)酸味少ない。

 

 

収穫時期は、育成地である福島県で6月上旬の早生種である。

 


香夏錦(こうかにしき)

 

香夏錦 完熟さくらんぼ 佐藤錦

福島県伊達市の佐藤正光氏が昭和43年に佐藤錦に高砂を交配した実生から選抜育成し、昭和59年に品種登録された。
樹姿は開帳性で、樹の大きさ樹勢とも中位である。
果実は短心臓形で、大きさは平均6グラム程度で玉ぞろいは良い。果皮は黄色赤斑に着色するが濃さは中程度である。果肉は乳白色で、着色はない。肉質は軟らかく、ち密で果汁が多い。甘みが多く、酸味は少ない。

 

収穫時期は、育成地である福島県で5月下旬の早生種である。

 

 


高砂(たかさご)

 

高砂 完熟さくらんぼ 佐藤錦

アメリカ原産で明治初期に輸入された。短心臓形で大きさは中位。果皮は淡赤色で外観は良好。甘味多く豊産性。品質良いが核が大きく、果肉がやわらかい。

樹性は旺盛で高温・乾燥に強い。短心臓形で大きさは中位。果皮は淡赤色で外観は良好。甘味多く豊産性。品質良いが核が大きく、果肉がやわらかい。

 

収穫時期は、6月中旬。佐藤錦の受粉樹として利用される。


ナポレオン

 

ナポレオン 完熟さくらんぼ 佐藤錦

ヨーロッパで古くから栽培されている品種。明治初期にアメリカから持ち込まれた。高砂と共にアメリカから明治初期に日本に輸入された。長心臓形で大きく、果皮は黄色地に斑に紅色に着色する。果肉厚く肉質硬く多汁。芳香に富み、通好みの食味である。

 

樹性は中位。高温・乾燥には弱い。

 

収穫期は6月下旬で、生食、加工両方に適する。※佐藤錦の受粉樹に適している。

 


静御前(しずかごぜん)

 

静御前 完熟さくらんぼ 佐藤錦

福島市飯坂町菅野但夫氏が「絢のひとみ」×「佐藤錦」を交配選抜した品種で、種苗法登録の品種である。

果形は心臓形、果重は8~9g(原木)と佐藤錦より大きく、果皮は黄色地に鮮明な紅色に着色する。果肉は乳白色、肉質はやや硬く核が小さい。多汁で甘味多く糖度20°、 酸味少なく、食味は甘く濃厚である。玉揃よく、日持ちよくうるみ果が少ない。

樹勢は中位、樹姿は開張性、絢のひとみと似る。開花期は佐藤錦と同時期。栽培も容易で豊産である。

 

収穫期は福島市飯坂町で佐藤錦より5日~7日早い。

 


月山錦(がっさんにしき)

 

月山錦 完熟さくらんぼ 佐藤錦

中国で育成された品種。12~15gと大きい。心臓形で果皮は明るい。黄色で糖度も20度以上と高い。雨よけハウスでの栽培が安心である。すり傷、押傷に注意。

 

樹性は開張性で、樹の内部がややはげ上がりやすい。あまり豊産性ではない。

 

収穫時期は6月下旬でナポレオンとほぼ同時期。



大将錦(たいしょうにしき)

 

大将錦 完熟さくらんぼ 佐藤錦

本種は山形県上山市の加藤勇氏園においてナポレオン、佐藤錦、高砂の混植園で発見された偶然実生の中から選抜育成された品種である。平成2年4月種苗法登録品種第2216号を獲得した優良品種である。

果肉は非常に硬く、うるみ、色ムラが出ないのが最大の特徴である。果重10g近い大玉で、外観が良く、着色が鮮やかで、葉陰、下枝でもよく着色する。糖度が20度以上と高く、多汁で、食味良好である。

樹性強く、樹姿は直立性で高砂に近い。鋭角にならぬよう主枝形成に注意する。開花期はナポレオンより遅く、佐藤錦より1~2日早い為、相互の交配性が良い収穫時期は育成地において7月上旬~中旬の晩生種である。満開後60日~65日で成熟期に達する。


紅てまり

 

 紅てまり 紅秀峰 佐藤錦

山形県園芸試験場において昭和55年にビックと佐藤錦の交雑により育成した品種。平成12年に品種登録された。
樹姿はやや開帳、樹の大きさは中、樹勢はやや強である。

 

果実は短心臓形で10グラム以上と極めて大きい。果皮の色は帯朱紅で着色は良い。果肉は硬く日持ち良く、色はクリームで着色はない。糖度は20度以上で甘く、果汁も多い。
収穫時期は、7月中旬と極晩生種。

 


(出典:苗木生産会社桜桃苗カタログから抜粋しました)

 

▼早生~中生~晩生の品種構成

さくらんぼ品種 山形さくらんぼ 佐藤錦

参考資料:山形県


 

佐藤錦を超える品種は まとめ


山形さくらんぼのシンボルともいえる佐藤錦は誕生から100年も迎えすでに100歳を過ぎました。この間、さくらんぼは缶詰用の栽培から宅配便の誕生とともに生食用の需要に変わり、佐藤錦が全国的に知名度が高まり、産地ではサクランボ栽培の全体に占める割合が70%以上にもなって他の品種を圧倒しています。

 

ところが、20世紀最高の品種と絶賛され、生食用としては他を寄せ付けない圧倒的な支持と人気を得て山形サクランボの王様の地位はゆるぎないように見えますが、佐藤錦に品種が集中したことで、サクランボの短い収穫適期に収穫しきれないという問題が見え隠れするようになってきました。

 

現実問題として、あまりに佐藤錦への過大な一点集中ぶりに優秀な新品種が育たないという現象が生まれています。いわゆる佐藤錦神話が強すぎて、他の品種へのスムーズな移行の障害になっています。

 

そういった中で、山形県ないの産地の中でも、この問題を改革していこうという行政機関が介入してすすめていこうという動きもではじめています。今までの佐藤錦から7月から出荷できる佐藤錦より大粒の晩生種「紅秀峰」に主力を変えていこうというところも出始めています。

 

山形さくらんぼの歴史は150年、佐藤錦が生まれて100年、佐藤錦に勝るとも劣らない新品種も数多く生まれてきています。中性種の佐藤錦の前後に早生、晩生の新しい大粒で日持ちのよい品種を育てて、佐藤錦の割合を下げて、無理のない栽培体系を構築しないと人手不足と高齢化に対応できないときに来ているのです。

 

佐藤錦を超える新品種はもうすでに準備ができてきていることを忘れないようにしたいものです。

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