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ばっちゃん物語

大変だー!夜中に馬が立てなくなる

◆◆ ばっちゃん物語 第11話◆◆

■「馬が立てない!」夜中の大騒ぎ

まわりのみんなから見ると「かわいい女の子」というより
「男勝りの元気な子」という印象が強かった。

同級生からは体格も良かったので「困った時はトコちゃん」と頼られる存在です。
特に勉強以外での困りごとには信頼が厚く、本人もまんざらでもないと思っていました。

ある夜中、ふと目が覚めると大人たちが起きて厩で何やら騒いでいます。
トコちゃんも目覚めてしまいました。

馬が寝返りが出来なくなって騒いでいるのです。
寝返りできないと馬が立てなくなるので、大人たちが全員ワラを敷きなおしたり
ムシロとロープで馬の位置を立ちやすくするのに懸命です。

それは、馬は起きられなくなったのを、厩そのままにしておくと二度と立てなくなるからです。
それは馬の死を意味しているので、いくら夜中であってもすぐに対処することになります。

お父ちゃんもお兄ちゃんも半身裸になって頑張っています。
おじいちゃんはいつもの調子で落ち着き払って馬になにやら声をかけています。

「心配しなくていいよ、心配しなくていいよ」って言っているように聞こえました。
そんな時トコちゃんは、おじいちゃんは馬と話が出来るのだと信じていました。

トコちゃんはおじいちゃんの言われるままに、水を汲んできたり
たらいをもってきたり言われるままに手伝いました。

時折、起きる立てなくなる馬のことを「馬の柱抱き」と言っていました。

何とか馬を立たせてひと安心、なぜこうなったのかをおじいちゃんから詳しく教えてもらい
馬も人がいないと生きていけないことを知りました。

そしてその時、さっきのことをそっと訊いてみました。
「おじいちゃん、馬と話が出来るの?」
おじいちゃんは、ただ笑っているだけで何も答えてくれません。

しばらくして「トコ、そろそろ寝なさい」ってやさしく言って自分の部屋に帰っていきました。
夜中の大事件が一件落着したあと、みんなも又それぞれの寝床に戻っていくのでした。

「・・・確かにおじいちゃんは馬と話をしていた」と
さっきあったことが不思議でたまりません。
「なんでだろう?」とずっと考えて気がつくと朝をむかえました。

一件落着した朝はいつになく強い吹雪に。
寒さが厳しい吹雪の日の女の子は特に赤いほっぺたがめだっていました。

学校の授業ではあまり目立つこともなかったけど、学校の行き帰りの時間や
帰ってからのお手伝い。大好きだから牛や馬の世話は一生懸命にやっていました。

とにかく元気で素直な女の子はとても好奇心が旺盛になりました。
そして、すくすく明るく育つのでした。

(続く・・・)


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