柿を「さわす」とは、どんな意味?

庄内柿は焼酎でさわし、渋柿から甘く濃厚な柿に変身
さわす(柿の渋抜き)とは渋柿を甘くすることをいいます。これを一般に脱渋(脱渋)といいます。「さわす」という言葉の地域性は新潟県など一部の地域や庄内地方(山形県)で使われるローカルな言葉です。標準語では「柿を醂す(さわす)」と書かれ、辞書にも載っている言葉です。
渋柿の中に含まれるタンニン(渋み成分)を、水に溶けない状態にする「不溶性タンニン」に変えることで、柿の渋みを抜く工程です。渋柿を「さわす」ことで、渋が抜けて甘くなった柿は「さわし柿」と呼ばれます。焼酎で脱渋したものを「焼酎さわし」といいお湯でさわした柿を「湯ざわし柿」といいます。
柿をさわす主な方法
アルコール(焼酎など)を使う方法
渋柿をビニール袋に入れ、焼酎を染み込ませた布やペーパータオルを柿の上や袋の上に置きます。袋の口をしっかりと閉じ、冷暗所に保存すると1週間~10日程度で渋が抜けます。
渋抜き剤(エチルアルコール固形タイプ)を使う方法
樽や段ボール箱の中に柿を詰め、渋抜き剤のスティックを柿の隙間に入れます。ビニールなどで密閉し、冷暗所に置くと1週間ほどで渋が抜けます。
庄内を代表する秋の果実『庄内柿』は、元々の渋柿がアルコールや焼酎で渋抜きされ果実です。濃厚な独特の甘さ適度な歯ごたえ、種がない種なしの食べやすさが特徴の柿です。平核無(ひたたねなし)「種なし柿」としてよく出回っている品種で「庄内柿」や「おけさ柿」とも呼ばれます。種の無い渋柿が焼酎や炭酸ガスで渋ぬきすると見違える美味しさに変身。やさしい美味しい柿に生まれ変わります。柔らかくなったかきは、ヘタを切り取りスプーンで食べたり、そのまま凍らせてシャーベットにしてもおいしく食べられます。
この庄内柿の開発には諸説ありますが、一人の庄内藩士が関わったとされます。幕末に庄内藩は徳川の有力譜代として戊辰戦争を戦い維新に遭遇して戦い破れ政府軍に帰順します。廃藩置県により領地を失った庄内藩は原野を開墾して開墾地とこの柿を開発しました。