渋柿の渋抜きは家庭で簡単にできるの?

庄内柿は種の無い食べやすい柿です
自宅での簡単な脱渋方法とは
渋柿の脱渋には、柿を焼酎などのアルコールに漬けてビニール袋で密閉する方法や、りんごと一緒に袋に入れて追熟させる方法や収穫後に皮をむいて吊るし乾燥させる方法(干し柿)もあります。また、特定の固形脱渋剤やドライアイスの炭酸を使う方法もあります などがあります。どの方法でも、渋みの原因であるタンニンが不溶化することで、渋が感じられなくなる原理が働きます。
■焼酎による渋柿の脱渋
1,まず準備するものは、焼酎(アルコール度数30度以上が目安)と、柿、柿を入れる密閉できる柿を入れるビニール袋を用意します。
2,柿に焼酎をつける 渋柿のヘタの部分に焼酎を5秒ほどさっとつけます。
3,密封したビニール袋に焼酎を付けた柿をビニール袋に入れ、しっかり密封します。
4,寝かせる 常温で1週間から2週間ほど置くと渋みが抜けます。柿の大きさや室温、気温によって期間は変動するため、途中で味見をして確認しましょう。

渋柿のヘタの部分を焼酎に5秒ほど浸し、密閉し1週間待つ
■リンゴを使った脱渋
りんごを使った脱渋はエチレンによる脱渋になります。
1,柿とリンゴを準備します。渋柿5個に対し、りんご1個の割合で用意します。
2,密閉して保管します。渋柿とりんごをビニール袋に入れ、口をしっかりと閉じて密閉します。
3,熟成期間は1週間ほど置くと渋柿が甘くなります。
■お湯を使った脱渋方法
準備: 約40℃のお湯、保温性の良い容器。
手順
1,渋柿を約38~40℃のお湯に15時間ほど浸します。
2,脱渋時間は短いですが、高温と多湿により品質が低下しやすい点に注意が必要です。
■干し柿にする
準備: 渋柿、吊るすときに使う専用の紐など。
手順
1,渋柿の皮をむき、紐に吊るして乾燥させます。
2,皮をむくことで果実の呼吸が妨げられ、果実内部でアルコールやアセトアルデヒドが発生してタンニンが不溶化します。
3,天候にもよりますが、通常2週間ほどで渋みが抜けます。
庄内を代表する秋の果実『庄内柿』は、元々の渋柿がアルコールや焼酎で渋抜きされ果実です。濃厚な独特の甘さ適度な歯ごたえ、種がない種なしの食べやすさが特徴の柿です。平核無(ひたたねなし)「種なし柿」としてよく出回っている品種で「庄内柿」や「おけさ柿」とも呼ばれます。種の無い渋柿が焼酎や炭酸ガスで渋ぬきすると見違える美味しさに変身。やさしい美味しい柿に生まれ変わります。柔らかくなったかきは、ヘタを切り取りスプーンで食べたり、そのまま凍らせてシャーベットにしてもおいしく食べられます。
この庄内柿の開発には諸説ありますが、一人の庄内藩士が関わったとされます。幕末に庄内藩は徳川の有力譜代として戊辰戦争を戦い維新に遭遇して戦い破れ政府軍に帰順します。廃藩置県により領地を失った庄内藩は原野を開墾して開墾地とこの柿を開発しました。