渋柿をりんごを使い甘くできるの?

りんごのエチレンを利用した渋柿の脱渋方法です
りんごを使った脱渋(エチレンによる脱渋)
1,柿とリンゴを準備します。渋柿5個に対し、りんご1個の割合で用意します。
2,密閉して保管します。渋柿とりんごをビニール袋に入れ、口をしっかりと閉じて密閉します。
3,熟成します。気温にもよりますが1週間ほど置くと渋柿が甘くなります。
脱渋の原理
柿の渋みは、タンニンという成分が水に溶けて舌で感じられることで生じます。アルコールやリンゴから出るアセトアルデヒド、エチレンは、柿のタンニンと結合して不溶性の形に変える働きをします。これにより、タンニンが舌に感じられなくなり、渋さがなくなります。
そのほかにも、家庭でできる渋抜き方法があります。
家庭で手軽にできる脱渋方法
アルコール脱渋法(焼酎漬け)
準備:アルコール度数30~35度以上の焼酎、またはブランデーやウイスキーなど、密封できるビニール袋。
手順
1,渋柿の表面の汚れをキッチンペーパーなどで拭き取ります。
2,柿のへたを下にして、焼酎を入れた皿に数秒間浸します。
3,焼酎がついたままの柿を、密封できる袋に入れます。
4,空気を抜いて口をしっかり閉じ、室温(15〜20℃)で1~2週間置きます。
5,途中で味見をして、好みの甘さになったら取り出して早めに食べましょう。寒い時期は、こたつに入れたり毛布で包んだりして保温すると、脱渋期間が短くなります。

焼酎を使った渋柿の脱渋は簡単です
炭酸ガス脱渋法(ドライアイス使用)
準備:ドライアイス、新聞紙、厚手のビニール袋。
手順
1,ビニール袋に渋柿を入れます。
2,ドライアイスが直接柿に触れないように新聞紙で包み、袋に入れます。
3,袋の口をしっかりと縛って密封し、4~5日ほど置きます。
4,柿1kgに対してドライアイス20gが目安です。

渋柿は皮を剥いて干すだけで渋味が抜ける
■干し柿にする
準備 :渋柿、専用の紐など。
手順
1,渋柿の皮をむき、紐に吊るして乾燥させます。
2,皮をむくことで果実の呼吸が妨げられ、果実内部でアルコールやアセトアルデヒドが発生してタンニンが不溶化します。
3,天候にもよりますが、通常2週間ほどで渋みが抜けます。
■渋柿の脱渋のメカニズム
庄内藩の侍が生み出した庄内柿特集
庄内を代表する秋の果実『庄内柿』は、元々の渋柿がアルコールや焼酎で渋抜きされ果実です。濃厚な独特の甘さ適度な歯ごたえ、種がない種なしの食べやすさが特徴の柿です。平核無(ひたたねなし)「種なし柿」としてよく出回っている品種で「庄内柿」や「おけさ柿」とも呼ばれます。種の無い渋柿が焼酎や炭酸ガスで渋ぬきすると見違える美味しさに変身。やさしい美味しい柿に生まれ変わります。柔らかくなったかきは、ヘタを切り取りスプーンで食べたり、そのまま凍らせてシャーベットにしてもおいしく食べられます。
この庄内柿の開発には諸説ありますが、一人の庄内藩士が関わったとされます。幕末に庄内藩は徳川の有力譜代として戊辰戦争を戦い維新に遭遇して戦い破れ政府軍に帰順します。廃藩置県により領地を失った庄内藩は原野を開墾して開墾地とこの柿を開発しました。