高温耐性があり美味しい多収穫品種
山形県では、2023年の夏の猛暑の影響で県内のお米生産が品質低下の被害を大きく受けました。そのため、温暖化対策として、暑さに強く安定した収量が得られる新品種山形142号として山形県の研究所で生まれました。
そして「ゆきまんてん」と命名され2027年の本格販売を目指しています。この品種は、県内の小学生から募集された名称の中から選ばれ、その名に相応しく、白く大粒で、しっかりとした食感が特徴です.
東北のお米は、元々、冷害を受けにくい事を前提に「美味しいお米」の品種改良が大きな流れでした。ところが、気候変動によって、全国的に高温に強い美味しい品種という目標が置き換わってきました。

山形県42号はゆきまんてんと命名される
耐暑性品種「ゆきまんてん」の魅力
山形県が開発した新しいお米の品種「ゆきまんてん」は、近年の気候変動による夏場の高温にも強いという特長を持っています。この品種は、「雪若丸」と「山形122号」を掛け合わせて誕生し、「はえぬき」の系譜を受け継いでいます。粒が大きく、しっかりとした食感があり、白さや味の良さも高く評価されています。
さらに、従来の「はえぬき」と比べて収量が約1割多いことも大きな魅力です。「ゆきまんてん」という名前は、県内の小中学生から公募され、村山市の小学5年生が考案しました。「雪のように白く、おいしさ満点、笑顔満天」という願いが込められています。2027年の本格デビューを目指して、今後は山形県内各地で栽培試験が進められる予定です。
高温耐性や収量の多さ、そして味の良さから、山形県の新しいブランド米として大きな期待が寄せられている「ゆきまんてん」。今後の展開がとても楽しみな品種です。

高温障害の品種別に比較すると
「ゆきまんてん」の特徴とは
「ゆきまんてん」は「雪若丸」と「山形122号」を交配して誕生し、「はえぬき」の系譜にあたる品種です。夏場の高温に強く、近年の猛暑にも耐えやすいのが大きな特長、暑い夏でも交配親の「雪若丸」と同様に芯白、腹白といった高温障害が出にくい特徴を持っています。特に粒は白く、透明度の高い状態を保つことのできる耐暑性を発揮する品種です。
ゆきまんてんの収量は「はえぬき」と比べて約1割多く、粒が大きくしっかりとした食感、白さや味でも高い評価を受けています。異常気象の猛暑の中でも安定した収穫量を確保できる品種です。米不足を補うには期待できる資質を発揮してくれます。
2027年の本格デビューを目指しており、今後県内各地で栽培試験が進められます。山形県の新しいブランド米「ゆきまんてん」は、高温耐性や収量の多さ、そして味の良さから、今後の主力品種として大きな期待が寄せられています。

高温障害のおコメは白濁したり着色した粒に
「ゆきまんてん」の栄養価について
「ゆきまんてん」の栄養価について、現時点で詳細な成分分析データはまだ、公表されていません。しかし、「ゆきまんてん」は「はえぬき」の系譜を持ち、「雪若丸」と「山形122号」を掛け合わせて誕生した山形県の新しいうるち米品種です。そのため、一般的なうるち米(精白米)と同程度の栄養価が期待できます。
一般的な精白米(うるち米)100gあたりの主な栄養成分は以下の通りです。
- エネルギー:約342kcal
- たんぱく質:6.1g
- 脂質:0.9g
- 炭水化物:77.6g(うち食物繊維0.5g)
- カリウム:89mg
- マグネシウム:23mg
- 鉄:0.8mg
- 亜鉛:1.4mg
「ゆきまんてん」は高温耐性や収量性、食味の良さが特長ですが、栄養成分は他のうるち米と大きく変わらないと考えられます。今後、品種ごとの詳細な栄養分析が公表されれば、より具体的な数値が示される可能性があります。

雪若丸食味チャート図
ゆきまんてんの交配親 雪若丸とは
山形県で開発され、耐暑性が高く、猛暑でも高品質で芯白、腹白が出にくいと生産者が評価する「雪若丸」です。2023年の猛暑の夏にも品質の良さが他の品種を圧倒、一等米比率も90%を超えて通常の品質を確保した実績が目立ちました。
山形県で開発された「雪若丸(ゆきわかまる)」は、耐暑性が高く、猛暑でも高品質な米を安定して生産できることで生産者から高く評価されています。芯白や腹白といった米粒の白濁が出にくく、見た目の美しさも特長です。
見た目や食味の特徴としては、しっかりとした粒感と適度な粘りが両立した“新食感”が挙げられます。粒が大きく、一粒一粒が際立つ白さとツヤを持ち、炊き上がりも良好です。噛みごたえがあり、甘みや粘りは控えめですが、旨みと甘みのバランスが良く、料理の味を引き立てるサポート役としても人気です。
「雪若丸」は、「つや姫」の“弟”にあたる品種で、2018年から本格的に販売されています。短稈で耐倒伏性が強く、栽培しやすい点も農家から支持されています。

雪の鳥海山が見える庄内平野の5月田植え後
雪若丸の課題は知名度と販売力か
栽培面積が広がっていないという現実が大きい問題です。耐暑性が高いという現実にマッチした特徴が生かされていない現実があります。「雪若丸」の主な課題としては、以下の点が挙げられます。
安全性・栽培管理
「雪若丸」は農薬使用量を削減するなど安全性向上への取り組みが進められていますが、現時点では「つや姫」ほど有機・特別栽培の体制が整っておらず、今後さらに安全性に配慮した栽培方法の確立が求められています。
自家採種の禁止
「雪若丸」は種苗法の規定により、生産者による自家採種(自家増殖)が禁止されています。次年度以降も栽培を続ける場合は、毎年新たに種子を購入する必要があり、コスト面や手間の面で生産者の負担となっています。
知名度と販路の拡大
「つや姫」と比べると知名度や流通量がまだ限定的で、地域や店舗によっては入手しにくい状況もあります。今後はブランド力の強化や販路の拡大が課題です。
品質安定への取り組み
高温耐性や品質の高さが評価されていますが、安定して一等米比率を高く維持するためには、温暖化対策や栽培技術のさらなる共有・普及が重要です。
特Aランク5年連続獲得した実績と山形の元気なお米「雪若丸」

米不足が突然起きても対応が追い付かない
雪若丸の品質は高い評価
「雪若丸」の価格が他の品種と比べて高く感じる理由は、主に以下の点が挙げられます。
ブランド米としての位置づけ
雪若丸は山形県が開発したブランド米で、品質や食味にこだわって生産されています。粒が大きく、白さとツヤが際立ち、冷めても美味しいといった特徴があり、他の一般的な米よりも高付加価値商品として扱われています。
生産コストと安全性への配慮
農薬の使用を大幅に削減するなど、安全性や品質管理に手間がかかるため、一般米より生産コストが高くなります。
需要と供給のバランス
雪若丸は比較的新しい品種で生産量が限られており、知名度や人気の高まりに対して供給が追いつかない場合、価格が高くなりやすい傾向があります。
業務用・高級用途での評価
高級業務用米としても評価されており、外食産業などでも需要が高まっていることが価格を押し上げる要因となっていま。
このような理由から、雪若丸は他の一般的な米や業務用米よりも高めの価格設定となっています。ほかにも価格や流通について知りたいことがあればご質問ください。
山形つや姫特集 特別栽培のお米