さつまいもの保存の基本
さつまいもは収穫後の扱いや保存状態によって、甘さや風味が大きく変わる野菜です。保存方法を整理すると注意点は次のようになります。
1,低温に弱い
さつまいもは熱帯性植物なので寒さに弱く、冷蔵庫(10℃以下)に入れると低温障害を起こし、黒く変色したり、味が落ちます。 さつまいもの保存適温は 13~15℃前後が理想です。
2,乾燥を避ける
乾燥すると表面がしぼんだり硬くなります。新聞紙や紙袋で包んで保存するとよいです。
3,風通しのよい場所
段ボール箱に新聞紙を敷き、1本ずつ包んで重ならないように入れ、直射日光を避けた常温で保存します。

さつまいも保存の基本は乾燥を防ぐから
サツマイモ の簡単保存方法
ご家庭で利用する場合は簡単な方法では、乾燥と低温に弱いので、冷蔵庫には入れずに、新聞紙に包んで風通しのよい冷暗所で保存します。20℃以下(13~15℃)が理想、使いかけは、ラップに包んで野菜室へ。
▼丸ごと保存する場合
乾燥を防ぐため1本ずつキッチンペーパーで包み、風通しの良い冷暗所で常温保存します。
▼丸ごと保存する場合
一番目に大切なのは冷やし過ぎに注意することです。気温が高い場合(12℃以上)は冷蔵室へ。ただし、温度が低すぎると甘みが薄れるので、なるべく冷蔵保存(5~6℃)は避けましょう。
▼使いきれない場合は冷凍
使いきれずに余ってしまったら、生のまま冷凍できます。皮付きのまま使いやすい大きさに切って水にさらし、水気を十分に拭き取った後、冷凍保存袋に入れて冷凍室へ。使うときは凍ったまま調理します。1カ月を目安に食べきりましょう。

さつまいも冷凍保存するときは使いやすい大きさに
保存期間の目安どれほど
■ 常温(13~15℃、暗所):約1~2か月
■冷蔵庫(野菜室、新聞紙+ビニール袋で短期間のみ):1週間程
■ 冷凍保存(皮付きのままふかし芋、焼き芋、加熱後):約1か月
▼状況別による保存方法
■短期保存(1週間程度)
新聞紙で包み、常温の涼しい場所に。冷蔵庫は避ける。
■長期保存(1か月以上)
1本ずつ新聞紙で包み、段ボール箱に入れて押し入れや床下などの冷暗所へ。湿度はやや高めが良い
■冷凍保存のコツ
生のまま冷凍すると食感が劣化し易いため、蒸す・焼く・茹でるなど 加熱してから冷凍がおすすめです。

さつまいもは上手に保存して美味しくいただく
冬の寒い時期に保存する場合
もしご家庭で「冬の寒い時期(室温が10℃以下になりがち)」に保存する場合と、「秋の収穫時にまとめて保存して春まで持たせたい」場合では方法を少し変える必要があります。
冬は室温が10℃以下になりやすいため、そのまま置くと 低温障害 で傷みやすくなります。
保存ポイント
新聞紙で1本ずつ包む → 保温・保湿効果
段ボール箱に入れて二重に覆う(毛布やタオルで箱ごと包むと効果的)
押し入れや床下など、人が寒いと感じない場所に置く→ 室温が下がりすぎないよう工夫する。
※特に寒冷地では、室内の暖かい場所に置くよりも「なるべく温度変化が少ない場所」を探すのがコツです。

10月の秋晴れの日には収穫が始まります。
秋にまとめて収穫し春まで保存の場合
農家さんがやるように「貯蔵」するイメージです。さつまいもは寝かせるとデンプンが糖に変わり、甘みが増します。
保存方法
1,収穫直後は土を落とさず、2~3日風通しの良い日陰で乾燥(キュアリング) させる→ 表面の傷が乾いて長持ちしやすくなる
2、1本ずつ新聞紙に包む
3,段ボール箱や木箱に入れる(湿度50~70%が理想)
4,室温13~15℃、暗所に保管→ 床下収納・納戸・押し入れなど
保存期間の目安
この方法なら 3~4か月保存可能。秋に収穫して翌年2~3月まで美味しく食べられます。
冷凍保存する際の工夫
1,蒸す・焼く・茹でる → 冷ましてからラップ+フリーザーバッグで冷凍
2,冷凍から使うときは自然解凍または電子レンジで加熱
3,あらかじめマッシュして冷凍しておくとお菓子や料理に便利

さつまいもは保存性を高めるには表皮を乾かして硬さを保つ
大量のさつまいもの保存方法
収穫した大量のさつまいもを長期間、美味しく保存したいのですね。農家さんが実際に行っている「貯蔵方法」を整理してご紹介します。
1,掘り取り直後の処理「キュアリング、(乾燥させる)」
- 掘りたては表面に傷がつきやすく、そのまま保存すると腐りやすいです。
- 土を軽く払うだけで洗わない(土が保護膜になります)。
- 風通しのよい日陰で 2~3日広げて乾燥 させます。→ これで表皮がコルク化し、病気や乾燥に強くなります。
2,基本の保存条件
- 温度:13~15℃(最適)
10℃以下だと低温障害、20℃以上だと芽が出やすくなります。
- 湿度:60~70%
乾燥するとしぼみ、湿気すぎるとカビが出ます。
3,保存方法
段ボール箱・木箱で保存
- さつまいもを 新聞紙で1本ずつ包む
- 箱に並べて入れ、上にも新聞紙を敷く
- 押し入れや納戸など 暗くて温度が安定する場所 に置く
- 箱は密閉せず、少し隙間をあけて呼吸できるようにする
👉 この方法で 3~4か月保存可能

さつまいもの保存方法には色んなやり方がある
サツマイモ籾殻貯蔵の農家の方法
大量の場合は「もみ殻貯蔵」がおすすめ
- 大量にある場合、農家さんは もみ殻やおがくず に埋めて保存します
- やり方:
- 木箱や大きな容器に、底に5cmほどもみ殻を敷く
- さつまいもを並べ、またもみ殻をかける
- これを交互に繰り返し、最後はもみ殻で覆う
- 断熱・保湿効果があり、春先まで美味しく保存可能
穴を掘って「いも穴貯蔵」
- 大量かつ長期保存を目指す場合に昔から行われてきた方法です
- 畑や庭に深さ50~80cmの穴を掘り、底にワラを敷く
- さつまいもを積み重ね、さらにワラや土で覆う
- 温度変化が少なく、越冬保存も可能
ただし、雨水が入りやすい土地や凍結の恐れがある地域では注意が必要です。
保存中の注意点
- 月に1回は箱を開けて点検する
- 傷んだイモはすぐ取り除く(周囲にうつりやすい)
- 小さいものや傷があるものは先に食べる
まとめ
- 掘ったらまず 乾燥させ乾かす(キュアリング)
- 保存は 13~15℃、湿度60~70%、暗所
- 方法は
- 新聞紙+段ボール
- もみ殻やおがくずに埋める
- いも穴貯蔵
これで、収穫したさつまいもを 翌年春まで美味しく保存 できますよ。