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ばっちゃん物語

吹き山(雪の吹きだまり)は遊園地、大きな雪の滑り台でソリ遊び

◆◆ ばっちゃん物語  第15話 ≪ばっちゃん子供頃のお話≫ ◆◆

■大きな雪の滑り台でソリ遊び

トコちゃんにとっての楽しいお正月は続きます。
昨日は正月礼で大人たちのお正月の宴会がお昼の時間帯から始まり
家中がうかれています。

従兄弟たちも5人来て賑やか、特に大好きな信子ちゃんも来て一緒に遊び始めています。
一番賑やかなのは、勝手の方でお母ちゃんやおばちゃんたちが賑やかに
なにやら話しながら宴会の料理を盛りつけしたりお盆に載せて運んだり
お酒を燗をつけたり、それはそれはいそがしいのです。

宴会は座敷で用意されているので、座敷と勝手を何度も往復しながら
料理や酒が運ばれていきます。

家の中は勝手、板の間、居間、座敷とつながっています。
その間、子供たちはそれぞれ、居間にあつまって遊びます。
さっきまで雪がやんでいたので男の子たちは外で雪遊びに行ってしてました。

二番目の源三お兄ちゃんが箱ソリという荷物を運ぶためのソリを納屋から出してきました。
箱ソリを使って代わる代わり2人を乗せて、1人後ろから押す人、1人が前で引っぱります。

家の前の道路は馬そりが行きかうので雪は固まっているのでよく滑ります。
特に今日の雪は滑りが良いのでソリは軽く滑るのです。

2組に分かれて代わる代わる乗るうちにあっという間に
村はずれまでソリで来てしまいました。

そこでは村の子供たちや、お正月でよそからやってきた子供たちも集まって
みんなで二十数人が楽しそうに遊んでいました。

吹き山は高いところが、電信柱が隠れるくらいに育っているのです。
村はずれの吹き山(吹きだまりでできた山)ではスコップを持ちだして
今まで見たこともない大きな雪の滑り台をつくって遊んでいます。

それは、この村のガキ大将の弥衛門の権太が大勢を集め朝からみんなに命じて
つくったもので、それは大きな滑り台が出来ていました。

トコちゃんのいちばん上のお兄ちゃんは権太のことをよく面倒を見ていたものだから
特別に、途中参加を許してもらえたのです。そうでなかったら
雪の滑り台には入れてもらえなかったでしょう。

男の子たちは、順番に並んでソリに2人ずつ乗って滑ります。
さすが「権太のやることはでかい」と源三は思いました。
すごい勢いで今まで経験したことのないスピードですべり50メートルも先まで滑っていくのです。

こうなるとソリに乗って操縦するのもむずかしい、途中で転倒するソリもでて
転倒してソリから投げ出されることもあるけど雪の布団に投げ出されるのが
また、子供たちにとっての快感でした。

権太は子分と二人で滑り台の出来を満足げに、ちょっとでも滑りに澱みがあったら
修復しようと遊びに参加しないでみんなの滑りをただ眺めています。

この滑り台がどこのものより性能よく出来ていることを確認して
「どんなもんだい」とみんなに自慢したいだけなのです。

子供たちが何度も何度も滑るとだんだんでこぼこが出来ていくものだから
でっぱりを削って、低いところには雪を盛るというふうにして

最後には滑り台をもっと固めたらいいと思いつき、どこからか塩を持ちだして
滑り台に振りまいて固めようとしています。
それほど権太は滑り台造りに真剣だったのです。

余談になるのですが・・・後々、権太はどこかの土建屋の婿にいったらしいと
いつだったかお母ちゃんから聞かされたことがあります。
トコちゃんは「権太らしいなあ」とその時思いました。

目いっぱいそり遊びでスピードを楽しんで源三お兄ちゃんと男の子たちは
お昼にはすっかりお腹がすいて家に帰ってきました。
雪遊びはお腹がすくものです。

お昼にお雑煮を食べながら男の子たちは昼からまた行こう、などど話しています。
トコちゃんたちは花札で遊びながら大人たちの宴会の進み具合を見て
自分たちの出番をうかがっていました。

お正月ののどかな一日は続きます、子供も大人も笑顔いっぱい
玄関先の馬や牛までがいつもと違った楽しさを感じているように見えました。
家中がお酒の匂い、だんだん、宴会の声も大きくなってきました。

家中が料理の香りにつつまれて時間だけがゆっくりすすんでいくのでした。

「お正月っていいなあ!」ってしみじみ感じているのでした

(続く・・・。)


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