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ばっちゃん物語

危機!トコちゃん、ついに権太に殴られるのか!

◆◆ ばっちゃん物語  第21話 ≪ばっちゃん子供頃のお話し≫ ◆◆
 

■トコちゃん、ついに権太に殴られるのか!

「たしか、トコがつぐってたぜー!」
誰かが言いだした。

「あの源助のトコがーっ!」権太は顔を
真っ赤にしていいきった。

みんなは「んだ!」「んだ!」と佐助を
気遣ったようすでうなずいた。

「きっとトコは、あの権太からめちゃめちゃ
殴られる!」

「こりゃ、大変なことが起きる!」という
噂が持ち上がり、村の子供たちはトコちゃん
のこと案じたのです。

 
権太は現場を佐助に言いつけて頭から湯気を
だしたまま、家に帰っていくことに
なったのです。

吹雪の中、家に帰った権太は、囲炉裏に雪が
詰って濡れているワラ靴を干して

着物を脱いで干し、褌一丁になって丹前を
羽織って囲炉裏をまたぐように薪を足しながら
暖をとっています。

思い出すのは、あの立派な滑り台の前で
あろうことか子分に醜態を見せてしまった
自分を悔しがっているのです。

雪まみれになった体は、まだまだ、ガクガク
寒さに震えています。

時間とともに身体から湯気が上がって、すこし
ずつ身体は震えから解き放たれていきますが

あの悔しさは、身体が回復するにつれ、怒り
の炎が燃えてくるのです。

「あのやろーめえ、あの餓鬼めーっつ」と今度
は怒りが燃え盛るのです。

「トコの野郎、ボコボコしにてやるーうっ!」
もう、頭の中は怒りで爆発しそうに
なっていました。

もう少し暗くなった頃、佐助が包みを持って
やってきました。

それを持って家の外にあるかまくらに行きます
そこには、滑り台を使わせる代わりに

まきあげたせんべいや餅がいっぱい
風呂敷に包まれています。

中にはスルメ烏賊もありました。
今日の上がりのうちの半分を佐助に渡して

今日は天気が悪かったからこんなものかと
いったふうにいって、
「今日は吹雪だがらしがだねえなあー」

「んだがら、明日の朝トコを連れでこいよー」
といって家に入り戸をピシャット閉じました。

権太の家の入口の横には、子供が5人は入れる
かまくらがありました。

権太が自分でつくったものです。
その中に七輪を持ちこんで子分たちに餅を

焼いたり、スルメをあぶったりして食わせたり
していたのです。

権太は、そのままの親分肌です。
家業は農家ではなくかやぶき屋根を葺く、職人。
いわゆる「ふき師」を生業としていました。

ほとんどが農家のこの村では、農家以外は
間違いなく少数派になります。

その頃トコちゃんは家で信子ちゃんと楽しく
忙しく双六や、お手玉で遊んでいました。

頭の中は、雪山に掘ったヌガリツボの事は
すっかり忘れて、外の吹雪さえ
忘れ去られています。

信子ちゃんと遊ぶことだけしか頭にありません
だって正月休みもあと幾日もなくなってきて

いるので、宿題のことはもちろん目の前の
「遊び」のことだけしか考えられないのです。

しばらくすると、すぐ上のあんちゃんが神社の
「雪除け」から帰ってきてこんなことを
いうのでした。

「トコ、お前、なんかしたのがあー?」
「権太がお前をさがしているらしいーぞー」

というので
「何の事だがあ?おら、しんねえなあー」と
返しました。

「何だがあー??」
「佐助だちさあ言いつけで、お前のどご、
捜させっだどお」

トコちゃん、遊びが忙しくて耳に入らない。
まだ、意味が判っていません。

一方その夜の権太は、いつになく悔しさで
眠れない一夜になるのでした。

続く・・・。


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