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ばっちゃん物語

山形のお正月のお餅つきは2日間もあるから

◆◆ ばっちゃん物語    第13話◆◆

■山形の餅つきとお正月

山形のばっちゃんが小学生のころのお正月は一年でいちばん楽しみなイベントです。
お正月が近くなると、毎日が楽しくてお正月が待ち遠しくてしかたありません。

12月28日は1回目の餅つき、2回目は30日には鏡餅、神様にお供えする
お餅もこのときにつくります。
保存食としてのお餅、お正月用のお餅と沢山必要でした。

もう学校がお正月休みに入っているトコちゃんはお母ちゃんと一緒にまだ暗い
朝5時には起きてお手伝いです。

このようなお手伝いになると一段と張り切ってしまう性格なので
前の晩はあまり寝付けませんでした。

今日は2日目の餅つきの日。
男たちも土間に集まって杵や臼を準備しています。

臼の下には束になったワラをいっぱい敷いて、振動を和らげます。
だからどんなに力いっぱい杵を振りおろしても大丈夫です。

今日ばかりは、家の中に家族全員が集まり、餅を蒸す台所と餅を搗く土間に分かれて
蒸し上がった熱々のもち米を臼に入れてはぺったん、ぺったんが始まります。

餅つきは、杵でつく男手と女性の反し手のリズムが大事です。
お父ちゃんと、お母ちゃんの組、おばあちゃんと力自慢のお兄ちゃんの組
そのお兄ちゃんが杵を振ると、すごい音でみんな目を丸くします。

みんなその周りに輪になって声をかけて調子をとります。
中学のお兄ちゃんもたまには杵つきを許してもらえましたがトコちゃんもお母ちゃんのように
「かえし」をしたいのですが子供には危ないからとまださせて貰えません。

家の中は、もち米を蒸し上げる蒸気が充満してお餅特有の香りが家中に漂っています。
トコちゃんはこの香りと餅つきの張りつめた緊張感が大好きなのです。
ひと臼搗くと、全員で冷めないうちに一斉にお餅をまるめます。

この地域、庄内平野は東北では珍しく、関西風にまる餅なのです。
北前舟によってもたらされた関西の文化が根付いているからといわれています。
ちなみにお雑煮は焼いたまる餅のすまし汁となります。

大きな鏡餅を作るのは、やっぱりお父ちゃん、大きくまんまるに、表面が鏡のように
ツルツルの鏡餅をあっという間に仕上るのです。
彼女の眼には魔法を使ってつくっているように見えます。

トコちゃんは自分の保存用の小さいまる餅をまるめていますが
なかなか上手に手早くできません。「お父ちゃんはすごいなあ」って目を丸くして
見とれています。

きれいにまる餅をつくるのは難しいなあと感じています。
きれいな丸にならなし、表面がつるつるになりません。ごつごつになるし、皺になるし
お姉ちゃんや、お兄ちゃんたちにもどうしてもかないません。

お母さんから「トコは昭吾の面倒をみるように」といわれているので
弟の世話をしながら餅をまるめているのです。

11時も過ぎるとこの日は早めのお昼の準備。またこれが楽しい。搗きたてのお餅に黄粉や
納豆、砂糖醤油を付けてみんなでお昼を食べるのです。

もちろんお雑煮も食べます。今日は朝からみんな笑顔です。
もう今年の仕事はすべて終わっています。

あとはお正月をどう過ごそうかと考えるだけなのですから。
夕方4時には餅つきがすっかり終わり、みんな後片付けをしています。

明日は大みそか、夕方から雪が降り出しました。この地域にしては降り方が静かで
ひょっとすると今夜は大雪になるかもしれません。

音もなくふわふわの白い大きなわた雪が降り続いています。

トコちゃんの頭の中はもうすっかりお正月の楽しいことでいっぱいになってるのでした。
お正月2日には、従兄弟たち10人ぐらい押し寄せてくるのだから
家族は間違いなく2倍になるのです。

(また、来年に続く・・・。)


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