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ばっちゃん物語

■お茶の間で家族で楽しむ博打 「せんべい釣り」その2

◆◆ ばっちゃん物語  第19話 ≪ばっちゃん子供頃のお話≫ ◆◆
 

■(続)せんべい釣りというお正月のゲーム

外が吹雪で遊べない日がおおくなると
お正月や冬の遊びには「せんべい釣り」という
遊びをしていました。

あ母ちゃんが大みそかに街で買ってきた
薄焼きせんべいを糸の付いた縫い針で

思いっきり投げて針を刺してせんべいを
釣り上げるゲーム。

釣り上げたせんべいは自分が貰えます。
モノの無い時代にお煎餅が貰えるのは
大きな魅力です。

それも2枚、3枚,時には5枚釣れる
こともあって力が入ります。

ルールとしては手で針を持って刺しては
いけません。

あくまでも針を投げてせんべいを刺すのです

トコちゃんはこのせんべい釣りが得意です。
1度に5枚釣ったこともあります。
それは工夫の結果でした。

針の細い方を使わずに糸の通す方で力いっぱい
刺すと、とんがっていなくとも刺さるのを
練習で見つけました。

トコちゃんこっそり自分の確保してあるせんべい
で練習していたんです。
練習しているだけに技がありました。

あまりにトコちゃんだけ上手に釣り上げるので
この「逆刺し」はルール上、禁じ手と
なってしまいました。

釣り上げたせんべいは直ぐに食べたりはしません。
食べるのを我慢して10枚貯まったら
1枚だけこっそり食べるといった具合に。

それは次回のゲームの為に残しておくのです。
1対1で10枚ずつで挑戦したり何人かで10枚
ずつ持ち寄ってそれを競い合う
元手になるからです。

自分に手持ちのせんべいがないとゲームに
参加できなのです。

トコちゃんは弟に15枚、お父ちゃんに8枚
せんべいを貸しています。

そこには本気の博打のような雰囲気が
漂っています。

それほど大好きでこのゲームには自信が
あったのです。

夕食が済んだあと「あんちゃん、せんべえ
釣りやるがー!」

と声掛けして
「今日は10枚賭けるがー!今度はこの前の
借りを返すぞー」

と応じればすぐゲームが始まります。

薄焼きせんべいはお店から買ってくる時も
ありますがお母ちゃんやおばあちゃんが
手作りすることもありました。

いつも美味しく食べてもらおうとこころを込め
て焼いてくれていたのですが、トコちゃんは
このせんべいを味わって食べた記憶がありません。

どうしてもこのせんべいを見ると
「どうやっていっぱい釣ろうか」という気持ちに
自然になってしまうのでした。

そこには恥ずかしがりの一面は忘れられ
勝気な性格が前に出る勝負師気取りの
赤いほっぺたの女の子がいました。

夕方には吹雪はあがりました。

真っ白い雪雲の塊が半月に照らされて
いっそう白くずっしり重くながれています。

深い濃紺の冬空には、月の明かりに負けない
ほしが輝いています。

続く・・・


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