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山形日記

在来野菜の食文化と歴史 庄内平野

松ヶ岡開墾場 シルク 庄内藩

庄内藩が育んだ食と農


鶴岡市は城下町としての歴史があります。酒井家の庄内入部の歴史は、3代忠勝の代に信州松代(長野県)より出羽国庄内13万8千石の初代藩主として元和8年(1622)に入部されたことから始まります。幕末には17万石の庄内藩となっています。

 

 藩政期には、荘内藩九代目藩主酒井忠徳が藩校「致道館」を創建し、教育に力を入れたことにより向学の気風が培われました。この気風は、学問や芸術、産業活動を活発にし、稲の品種改良など人々のより良いくらしの実現に情熱を傾けた多くの先人を輩出してきました。 

 

松ヶ岡開墾場は明治元年(1868)に戊辰戦争に敗れた庄内藩は多くの難題を克服して庄内藩に復帰し、明治二年に改称して大泉藩が成立されました。多くの士卒族(江戸時代までの武士階級)3000名が職を失い、刀を鍬に持ち替え、松ヶ岡の原野約300haの開墾に着手しました。

 

松ヶ岡開墾場 シルク 庄内藩

サムライ由来のシルクとして絹製品を作っています


国内最北端のシルクと庄内柿


大泉藩は薩摩藩と結び、士族集団による政策を展開しようとします。藩内の生糸を生産・輸出する大きな藩営事業を企図しました。これに見合う桑木栽培のために松ヶ岡の地に大規模な開墾がはじまったのです。

 

ここに生まれたのがサムライシルクといわれる松ヶ岡の絹産業とサムライ柿といわれる庄内柿が生れました。ここにも地域を挙げて産業に取り組む庄内平野の風土が息づいています。

 

サムライゆかりのシルクとは日本の近代化を産業面から牽引した絹産業。 旧庄内藩士が刀を鍬に持ち替えたことが、鶴岡市を中心とする庄内地域が国内最北限の絹産地となったきっかけでした。

 

▼サムライゆかりのシルク

 

 

 

庄内柿 種なし柿 サムライ柿

庄内柿は庄内藩の幹部が育成し普及した珍しい種なしの柿


 

羽黒山伏が伝える精進料理


出羽三山に伝承された「精進料理」は、開山1400年の羽黒山伏の修験道文化とともに発展してきた「命の食文化」の原点であり、今なお、羽黒山の宿坊では伝統的な料理が振る舞われ、国内外の参拝に訪れる方々を魅了しています。

 

 この精進料理の調理方法や食材の保存技術は、日本料理の全体の水準向上に貢献してきたとされます。つまり通常に言われる仏教文化による精進料理とは一線を画しています。

 

その山岳信仰の中心となる出羽三山は、山形県村山地方・庄内地方に広がる月山・羽黒山・湯殿山の総称です。修験道を中心とした山岳信仰の場として現在も多くの修験者、参拝者を集めています。

 

出羽三山は、近代以降に使われるようになった用語である。かつては「羽州三山」、「奥三山」、「羽黒三山」、「湯殿三山」と呼ばれていました。

 

月山 出羽三山 羽黒山

山形県での山岳信仰の中心となる出羽三山、月山山頂


伝来の種を継承する在来作物


庄内平野は民間育種において極めて重要な土地であり、生産者が自らより美味しい農産物を次世代のために開発していこうと品種改良を積み重ね、全国有数の穀倉地帯を築いた歴史を持っています。

 

こうした民間育種家の伝統は、庄内藩の藩政などもありお米の品種改良において、先進的な実績をのこしています。亀の尾に代表される品種改良は、民間の力で現在の良質銘柄の基礎を創りました。

 

その子孫には、亀の尾のDNA を受け継ぐササニシキ、コシヒカリあり、その後、はえぬき、ひとめぼれといった品種に受け継がれました。市井に地道な育種の風土が庄内平野には息づいています。

 

そしてもっとも美味しいといわれる「つや姫」を生み出す礎となりました。

 

庄内平野 米作り つや姫

庄内平野には民間育種の気風があった


 

民間の熱い育種への取り組み


また、だだちゃ豆や温海かぶなどの在来作物が約60種類も継承されていることが大きな特徴となっており、地域の農業者が知恵と工夫を発揮して、世代を越えて優れた種を受け継ぎ地域で親しまれてきたことから「生きた文化財」と言われています。

 

鶴岡の地域性は、庄内藩の農業に対する厚い奨励策もあったこともあって、だだちゃ豆などは早生から晩生まで20種類以上の在来の枝豆の系統を産み出しました。鞘には茶色のうぶ毛と深いくびれが特徴的なところです。

 

また、だだちゃ」とは、山形県庄内地方の方言で「親父」とか「お父さん」という意味。 その昔、枝豆好きな酒井藩のお殿様は、城下から毎日のように枝豆を持ち寄らせ「今日はどこのだだちゃの枝豆か?」と聞いて食したことから、いつからか 「だだちゃ豆」と呼ばれるようになったと言われています。

 

このようなだだちゃ豆の由来にも庄内藩酒井家と農民との深い関係性が現れています。そのほかにも、地域の特性を生かした取り組みとしては温海かぶ、などの生産では、自然と一体に進める伝統的な焼畑農法を守り伝えています。

 

温海かぶ 赤かぶ 焼き畑農法

温海地区の温海かぶは焼き畑で栽培される


庄内平野の四季と食文化


このように庄内地方は日本の中でも四季の変化がもっとも豊かに感じられる自然環境に恵まれ、山菜やきのこなどの山の幸、米、たけのこ、だだちゃ豆と呼ばれる在来種の枝豆などの里の幸があります。

 

そしてサクラマスや寒鱈、岩ガキなどの海の幸など、四季折々の豊かな食材に恵まれ、一年を通して、旬の味をふんだんに活かした多様な食文化を楽しむことができます。そして、そうした背景から各家庭に受け継がれる「郷土食」や古くから伝わるお祭りの中で振る舞われる「行事食」も数多く残されており、「祈りの食文化」として大切に受け継がれてきます。

 

また、学校給食発祥の地でもある鶴岡市は、そうした地元の食材を用いた郷土料理も特別献立も提供され、子どもたちの食の教育が進められています。

 

 

▼在来作物 庄内柿 松ヶ岡にて

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