さくらんぼ「佐藤錦」 授粉とマメコバチの役わり|味の農園
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さくらんぼ とマメコバチの役割

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百花繚乱の春にマメコバチ


近年、さくらんぼの花の開花は早まって来ている気がします。他の果物の開花も同じ傾向が。地球温暖化と関係しているのでは気になるところです。大型連休の直前から連休が明ける頃、山形では様々な果樹の花が盛りを迎えます。サクランボ、ラフランスなどが一帯を白く染めて幻想的な景色を魅せてくれます。少し遅れてリンゴの花が開きます。


サクランボの畑は、全体が雨除けハウスの鉄パイプで覆われているので分かりやすい存在です。「雨除けハウス」とはサクランボは収穫期に雨が当たると、実がひび割れて傷みやすくなるので、収穫前に畑全体をビニールの雨除けハウスにビニールを架けて覆います。さくらんぼ栽培では欠かせない施設といえます。


この「雨除けハウス」ができたことで梅雨のくだもの「さくらんぼ」も生食用としてお届けできるようになったのです。その満開のサクランボの畑で花を観ていると、いろんな昆虫が飛び回っていますがミツバチよりひと回り小さい蜂がマメコバチです。一見頼りなさそうに見えますが、さくらんぼの授粉には欠かせない大事な存在なのです。

 

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ミツバチに似ているが、大きさがひと回り小さいマメコバチ


 

交配にはマメコバチ 蜜蜂が重要


専門的には植物の自家不和合性と呼ぶようですが。サクランボが交配して実を成らせるには、佐藤錦だけでは交配しないという特性を指してそう呼ぶようです。サクランボの畑ではまんべんなく受粉してすべての品種が着果するには全体の1割から2割の別の品種、受粉樹が欠かせない条件になります。


昔は「ナポレオン」という品種が佐藤錦には相性が良く、ナポレオン自体も高く売れましたからよかったのですが、近年はナポレオンの加工用の需要が無くなってナポレオンの樹が激減したからです。


そのために最近は、早生種の「紅さやか」「紅秀峰」などの高品質の品種の利用が多くなっています。このようにさくらんぼの場合、2-3種の品種が混在することによって受粉効率は高まると云われています。自然界では、植物は人間が手をかけなくとも実を結ぶことになっています。なぜ、マメコバチは受粉のために重宝されるのでしょうか。


体にたくさんの花粉をつけて花から花へと飛び回るハチは、別の木の花粉を運ぶからこそ、受粉に重要な役目を果たします。蜜蜂も含め多くの蜂は行動範囲が広く、遠くからでも蜜を集めるために花粉をいっぱいぶら下げて樹から樹へ動きまわってくれます。この広い行動力こそ自家不和合性を乗り越えて授粉へ導いてくれる原動力です。

 

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サクランボの畑左がマメコバチの巣、右が蜜蜂の巣


 

マメコバチは刺さない


お天気に恵まれた満開のさくらんぼ畑の中を見渡すとたくさんの昆虫たちを見ることができます。蜜蜂、マメコバチやハエの仲間のような虫たちまで見えます。ハチの羽音に包まれながら、白く咲き誇るサクランボ畑の中を歩いてみると、片隅に奇妙な箱が置かれているのが目にとまります。箱のなかにはヨシの束がぎっしりと詰められています。


マメコバチにの巣はドラム缶や一斗缶を再利用したものが多いのですが、時には古い冷蔵庫や犬小屋が使われていることもあったりします。中には切られたヨシの束がいっぱい詰められていて、ここにマメコバチが卵を産み越冬もします。


養蜂の為に人工的に準備された巣箱とは違った作りのマメコバチの巣箱です。マメコバチの扱いやすさ何より手軽なのところ。それは、蜜蜂のように刺さないので、頭に網をかぶったりすることもありません。そして、ヨシの束をしっかり更新してやると、どんどん増殖してくれますから、あまり手間をかけずに増やすことができます。ただ、蜜蜂のように蜜を採ることはできません。


マメコバチの名前は通称。図鑑にはコツノツツハナバチという長い名前で載っていますが、世間ではもっぱら、マメコバチと呼ばれています。サクランボ、ラフランス、りんごその他の果物にも受粉には欠かせない働き者の地蜂です。

 

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マメコバチの巣箱、中はヨシがいっぱい入っている。


 

低温でも活発マメコバチ


通常15℃になると活発に活動を始める蜜蜂に対して、マメコバチは気温12℃で動きが活発化してくるといいます。春の決められた期間しかないさくらんぼの花の満開時に不安定な春のお天気の中で蜜蜂以上にマメコバチは大切な役目を担っています。


山形より北に位置する青森のリンゴ地帯では、リンゴの受粉に昔からマメコバチを大切にしているときいています。春の悪天候などのより低温の中でも活躍してくれるマメコバチだからではないでしょうか。


巣はヨシの筒などの細い空洞に作り、近くの田んぼから運ぶ泥で部屋を作っては、中に集めてきた花粉をためこんで卵を産む。この作業はメス1匹だけで行い、ミツバチやスズメバチのように大きな巣をつくって役割りを分業することはありません。


黄色い花粉団子はほんのりと甘く、甘いものに乏しいかつては農村の子供たちのおやつになっていたとお聞きしました。きな粉とよく似た味がすることから、きな粉の別名を冠して「豆粉蜂」の名がついたといわれているようです。

 

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マメコバチの長所は人を刺さないから扱いやすい、小型なので授粉効率も高い


 

マメコバチは越冬できる


山形県でミツバチは越冬することが自然の状態では実は出来ないのです。それは雪が深く気温が低いため自然の中の越冬は出来ません。そのため、サクランボの畑に飛んでくるミツバチは、ほとんどが養蜂業者が管理しているミツバチか生産者がお金を出してその時期だけ借りてきたり買ってきたりしたミツバチです。


ミツバチのほとんどは山形県の自然の環境で冬を越すことができないことから、残念ながら人為的にこれを増やすことができません。しかしマメコバチは違います。ヨシがいっぱい詰まった巣箱を用意すれば増殖することが出来るのです。ヨシの中に卵を産んで越冬して春になると孵化して増えてくれます。


マメコバチを養成して増殖することはさくらんぼの受粉にとっての環境整備として大きな意味を持っていると思います。何とかマメコバチの増殖を考えていかないといけないのでは思っています。自然界では、植物は人間が手をかけなくとも実を結ぶことになっています。なぜ、マメコバチは受粉のために重宝されるのでしょうか。その話を進めるに植物の自家不和合性について、前項で説明しました。

 

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低温に強く扱いやすく増殖しやすいマメコバチをもっと


 

マメコバチの価値と環境整備


マメコバチとは通常15℃になると活発に活動を始める蜜蜂に対して、マメコバチは気温12℃で動きが活発化してくるといいます。春の決められた期間しかないさくらんぼの花の満開時に不安定な春のお天気の中で蜜蜂以上にマメコバチは大切な役目を担っています。


このような理由から、同じ樹で受粉できないためマメコバチ、ミツバチなどのように樹から樹へ渡って授粉をたすける活動範囲の広い昆虫でないと本当に交配を助けることにはなりません。また、蜜蜂よりひと回り小さいサイズがさくらんぼの花の中に入り込むので授粉効率がとても良いということも大きな長所で重宝しています。


近年の佐藤錦の不作が続いたことからか、受粉の時期なるとJAなどでは毛バタキで人口受粉を呼びかけますが限度があります。ある温度になると休まず働くミツバチなどに比べ人の行動範囲は限られ極々一部の微力に過ぎないのです。むしろ、マメコバチのの巣のヨシの束を定期的に、しっかり更新することで自家増殖も手軽にできるのでマメコバチの環境整備は、授粉対策には重要なポイントになります。

 

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マメコバチの巣箱とヨシを更新すると増殖してくれる


 

▼さくらんぼ剪定から収穫まで

 

 

さくらんぼ マメコバチの役割 まとめ


マメコバチの学名はコツノツツハナバチといいます。ミツバチと違い、自分の畑で増殖できる手軽さがありますからもっと増殖をしっかりしていく事が佐藤錦をたくさん収穫していくには大切なことです。


最近、原因不明のミツバチの大量死がの問題が話題に上りました。世界的な話題が日本でも同様な状況となって深刻な状況も伝えられています。きっとミツバチの個体数の減少が起きているのだろうと推測されます。そして依然として原因の特定もできず、解決策も見つからない状況にあるということです。


ミツバチの個体数が減少している現実を考えるとき、ここはマメコバチに頑張ってもらわないと「果樹王国やまがた」に未来はないといえます。生産者も高齢化して、マメコバチの巣の更新などがおろそかになって来ていると心配する声もあります。


今のミツバチの状況やさくらんぼのナポレオンの樹の減少の問題を考えると、今まで以上にマメコバチを大事に皆で育てていかないといけません。満開の春だけがマメコバチが活きているわけではないのですから、マメコバチの増殖できる環境をもう一度考え直してみないといけない状況に来ていると考えられます


春のこの季節しか気がつかないマメコバチの授粉の妙味、誰もが大切さに気がつかない存在のマメコバチですが、農家の人たちはその役割の重要さをもともと良く知って大事にして育てています。私たちが季節になるといただくことになる佐藤錦、紅てまり、紅秀峰などの美味しいさくらんぼは実はマメコバチからの贈り物といっても過言ではないといえます。

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