サンふじとふじりんごの違いは
サンふじとふじりんご、よく聞く言葉ですが、正確にはよく知られていないのが現実です。りんごの栽培過程でふじに袋掛けをして育てているかどうかで呼び方が違います。 袋を掛けずに太陽をいっぱい浴びて育てたふじを「サンふじ」、袋を掛けて育てたふじを「ふじ」と分けています。
長野県では「サンふじ」が主流で、この「サンふじ」という呼び方は、JA全農長野が1983年に商標登録をしました。秋の果物「りんご」の王様といわれる「ふじ」と「サンふじ」の品種の違いは無く、同じ品種です。「ふじ」と「サンふじ」の大きな違いは栽培方法にありました。袋をかけて育てる有袋栽培が「ふじ」、袋をかけずに育てる無袋栽培が「サンふじ」です。
紛らわしいとお叱りを受けるかもしれませんが、正確な答えからすると、味や見た目などの違いも、この栽培方法の違いによるものです。サンふじは、太陽の光をたくさん浴びて育つため、一般的に有袋栽培のものよりも糖度が高く蜜が入りやすいと言われています。また、従来の有袋栽培で育てたものよりも、栄養の面でも優れているとされています。
一方、ふじは袋をかけて育てる有袋栽培で、見た目と貯蔵性に長けています。
無袋ふじ栽培の発祥の地とは
無袋ふじとは、袋をかけずに栽培したふじのりんごです。山形県朝日町の標高290mほどの山間部にある和合平地区が発祥の地で、朝日町は美味しい「サンふじ」の生産地としても知られていますが、サンふじの発祥の地であり、この地で無袋栽培技術が確立されました。画期的な栽培技術として品種、ふじの評価の向上に貢献しました。
無袋ふじは、日光をたっぷり浴びるため甘みが増すのが特徴です。また、袋かけと袋はぎの作業がないため省力生産になります。無袋ふじは、販売時に「サン(太陽sun)」が品種名の前につけられ、「サンふじ」と呼ばれています。逆に「サン」と標記が無いふじは「有袋ふじ」袋掛けした「ふじりんご」になるわけです。
サンふじ、無袋ふじは、見た目は有袋りんごより悪くなります。特に色ですが、ふじなどは有袋栽培のりんごのように、真っ赤な色にならず少し黒ずんだような赤い色になります。袋が無い分、りんごの表皮の露出が長くなるから直射を浴びた日焼けしていることもあるのでは。実際、サビと呼ばれる表皮が茶色のサビ上になるのは直射日光の強い刺激が原因と思われます。
有袋ふじの特徴と栽培方法
最近は山形県では見かけなくなったふじの有袋栽培ですが、かつては全て有袋で栽培していました。無袋ふじ(サンふじ)とふじの違いはと言えば品種の違いはありません。同じ品種です。無袋ふじとサンふじは、栽培方法が違うだけで、りんごの樹、自体は同じものです。
無袋ふじは、袋をかけずに栽培したふじのりんごで、産地では「サンふじ」とも呼ばれます。
有袋ふじは、果実に袋をかけて栽培したふじりんごです。有袋栽培では、果実が小さいうちから袋をかけて遮光し、秋に袋を取り太陽に当てて着色させます。そのため、外観が鮮やかで紅色に色づき、見た目が美しい特徴があります。
有袋のふじはまた、病虫害防除や果面の保護、着色の促進などの効果があり、日持ちがよいという特徴もあります。有袋ふじは、収穫した時はほとんど甘みがありませんが、時間がたつにつれて甘みが熟成され美味しくなります。無袋栽培より日持ちが良いため、年間を通して流通させることができます。
▼有袋ふじの特徴は次のとおりです。
分類: 晩生種:収穫時期: 11月上中旬から:大きさ・形: 300~400g・円~長円形果皮色: 紅色で縞状に色づく。
種子親: 「国光」、花粉親: 「デリシャス」から生まれました。
サンふじ ふじ 美味しさどっち
秋の果物「りんご」有袋のふじとサンふじの品種の違いとは、味や見た目などの違いもあり、栽培方法の違いによるものです。 栽培方法の違いにより、見た目と貯蔵性に長けているのが「有袋ふじ」。 太陽の光をたっぷり浴びて育つことで、濃厚な甘味とおいしさを味わえるのが「サンふじ」です。
味は「有袋ふじ」に勝る「サンふじ」ですが、見た目は「有袋ふじ」に軍配が上がります。表皮が滑らかで日焼けからくるサビが出ません。食味は「ふじ」に勝るという評価の「サンふじ」ですが、見た目と貯蔵性は「有袋ふじ」に劣ります。
最近では、有袋栽培よりも無袋栽培が主流になりつつあり、味も見た目も良いりんごの栽培方法が研究されているようです。また、ふじりんごの旬の時期は11月~12月頃ですが、それ以外の時期、3月、4月でも味わうことができます。市場で出回っている多くが、貯蔵性と保存性に優れた「有袋ふじ」です。
「サンふじ」は、旬の時期が限られて、11月から翌年、2月頃には少しずつ果肉が柔らかくなります。出荷時期などをインターネットなどのサイトやページで確認しておいた方がいいでしょう。ぜひサンふじの蜜の入った旬のりんごのおいしさをたっぷり味わってみてください。
りんごに何故に袋を掛ける
リンゴの小さな実がふくらみ始めたら、実に袋をかける。これは「袋ふくろかけ」という農作業で、一個ずつ、人の手で、全部の実に袋ふくろをかけていきます。
▼何故、袋をかけるのだろう
まずは、害虫から守る。そして、病気の予防にもなる。でも、一番大きい理由は、実の色を美しくするためなんだね。傷が付きにくい、日焼けしにくい、害虫からの被害が無いなどれいな肌の綺麗なふじりんごが出来ます。
リンゴにかける袋ふくろを見てみよう。おや、一枚まいじゃないね。袋ふくろが、何か重なっているよ。どうしてだろう。農家の人に、その理由を聞いてみると。
▼袋かけの欠点とは何?
袋を掛ける時期は早いほどその効果が高いのですが、あまり早すぎると落果しやすいので注意が必要です。 また確かに袋をかけると病害虫の浸入を防ぐことができますが、袋を掛ける前の消毒が不充分だと、却って害虫の繁殖を助けてしまいます。
▼袋がけの効果とは何?
摘果作業が終わったりんごに一つずつ袋を掛けていきます。 袋をかける利点は、「着色が良くなる」「さびを防止する」「貯蔵性に優れている」ということが挙げられます。 有袋で栽培されている品種は、ふじやジョナゴールド、むつ、金星などです。
ふじの発祥地 生れは何処
「ふじ」が生れたのは青森県藤崎町にあった農林省園芸試験場東北支場(現在の独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所リンゴ研究拠点 盛岡市)において誕生した世界的品種。1939(昭和14)年に国光にデリシャス(花粉)を交配して生じた実生の選抜が行われ、1958(昭和33)年に東北7号として発表。1958(昭和33)年にふじ(農林1号)として登録されました。
岩木山を見ながら青森県藤崎町の地で生まれ育ったリンゴです。袋をかけた有袋栽培のふじよりも、袋をかけず、太陽の光をいっぱい浴びて育った果実は、着色や肌などの外観と貯蔵性は劣りますが、甘さ、香りなどの食味はいっそう良くなり、サンふじといわれます。そしてこのりんごの最大の魅力は蜜といえます。
りんご 袋ガケと袋ハギの作業
りんご栽培の着色管理として「有袋栽培」で袋かけをしたりんごは、かけた袋をはがす『袋はぎ』作業を行います。このタイミングも品質を左右します。早生種は8月から、中晩生種は9月中旬から10月上旬に袋をはぎ、果実に光を当て、綺麗に着色させます。
「袋かけ」の時にご紹介しましたが、りんごの品種によって色の付き具合が違うため、それぞれにあった袋が使用されます。千秋など着色の容易な品種は遮光度の弱い一重袋を、つがる、ジョナゴールド、ふじは着色が難しいので、遮光度のより強い二重袋を、むつ、世界一など着色の困難な品種は遮光度の最も強い三重袋を使います。
▼サンふじ玉廻し