「こうとく」「ふじ」と「はるか」の蜜入り
現在日本のリンゴの品種で蜜が入るものはそんなに多くはありません。直ぐ頭に浮かぶのは誰でも知っている「ふじりんご」だと思います。
その他には、稀に早生ふじの中の完熟したものや、お天気によって少し蜜入りするものがあるようですが、高い確率で蜜入りする品種は「蜜女王 こうとく」以外あまり見当たりません。
ところが、最近になって注目の「はるか」という黄色いリンゴの品種が出てきました。現在は一部の方々が作りはじめてその実力も少し見えてきましたが、まだまだ未知数のリンゴですから今後、どんな方向に進むのか注目されています。
そして、リンゴの品種の特性を検証するには、時間がかかるということなのです。色んな気象条件とそれに関わる果実の出来方などをつぶさに検証していかないと本当の品種の実力が見えてこないということです。

はるかはしっかり蜜入りしている。香りのよく美味しいリンゴ
はるか めずらしい黄色い蜜入りリンゴ
はるかは山形県でも最近になって生産されるようになりました。リンゴでは珍しい蜜入りが多い黄色いリンゴです。収穫期がふじと同じ頃になるので、ふじと黄色、赤のセットが注目されている。
まだまだ、実際の栽培において未知数なところがあるので、導入しながら検証していきたいと阿部りんご園でも資料を収集し検討をはじめています。
県内の生産者にお願いして、分けてもらい試食などをして調査和始めましたが、確かに蜜が入り美味しいリンゴという印象です。
そして有袋栽培ということで写真にもあるとおりきれいな肌できれいな黄色い表皮のリンゴです。一見なつかしいゴールデンデリシャスを思い浮べます。
■「はるか」の生産上の特徴
はるかは前岩手大学農学部教授横田清氏がゴールデンデリシャスの自然交雑種子を播種選抜育成した品種で、最近の調査で交配の花粉はデリシャスとされています。
近年、贈答用に人気急上昇中の品種である。貯蔵性がとても良いとされています。
果実の形は長円錐形でデリシャスにとても似ています。1個の重さは平均で300g、大きいものは350gを超え、年々大玉になっています。
問題は皮が日光に反応して日焼けで褐色しやすいので外観がやや劣る欠点があるため、袋を使った有袋栽培が必要条件としてわかってきました。
果肉は黄色で極めて硬くしまり、肉質良く果汁多い。糖度は15~17%と高く酸味少なく、蜜の入が良く芳香が有り食味は最高です。
私も試食してみましたが、酸味が少ないのが気になりましたが、爽やかな甘さで蜜も入り美味しいリンゴだと思いました。

ふじは世界で一番生産されているリンゴの品種、日本を代表する蜜入りリンゴ
蜜入りが多いサンふじは主流の品種
■蜜入りサンふじの特徴
もちろん世界でいちばん多く栽培されているリンゴの品種ということにうなりますから名実ともにNO.1という品種。日本人なら誰でも知っている「ふじ」りんごです。
改めていうことない気がしますが、果汁が豊富なうえ味のバランスが良く甘味と香りはしっかりとしています。歯触りもシャキシャキと心地よく人気が高いリンゴです。
蜜が入りやすいのも特徴ですが、近年は出荷時点で糖度や蜜の具合をセンサーで判別できるようになったため、糖度が高いものや蜜入りは選別され高級品として扱われる事が多くなりました。

サンふじの蜜入り、やはりたっぷりのものから少ないものまである
貴重な蜜だが1カ月余りで消えてなくなる
ふじは貯蔵性が高いのも特徴の一つで、低温庫での保存だと半年以上品質を保てると言われています。
しかし、蜜についてはどの品種も収穫して1カ月余りで消えて無くなるという宿命があります。
ですから、蜜入りのりんごは蜜が果肉にあるうちに召し上がった方が香りも高く爽やかな甘さがと新鮮な食感が楽しめます。
蜜入りりんごは蜜入りしている旬を楽しんで、蜜のあるうちにお早めに美味しいうちに召し上がることがいちばんだとお薦めしています。
■極(きわめ)ふじ(品種はふじ、ふじの中でも蜜の多い系統)生産上の特徴
秋田県平鹿郡十文字町の菅原氏がふじより選抜育成した着色系の中生ふじです。重さは350g位で大きく、果形は長円形で果皮は無袋で果実全体に濃紅の縞状に着色します。
肉質は緻密で硬く、ジューシー、特に蜜入が良く入り食味が大変良いところは特筆するところです。
山形県で10月25日頃からでふじより15日位早い。食味の良い「サンふじ」で出荷できる中生種で収穫期が長く、出荷調整ができるメリットがある。

日本を代表するリンゴといえばサンふじ、蜜入りもしっかりしている「極(きわめ)ふじ」
蜜入りと言えば蜜女王「こうとく」
蜜入りりんごと言えばやはり「こうとく」を除いてはお話しになりません。まさに「蜜女王こうとく」といえます。
「こうとく」の親は「東光」という品種で蜜入り良い上に味がよく、一時期(昭和40-60年代頃)には広く生産されていた品種です。
しかし、生産力が劣り、芯かび病の発生により収穫前落果が多いこと、また、無袋栽培では8月以降に高温が続くと黒点病などの障害が出やすいことがあり、次第に市場から姿を消しました。
現在の「こうとく」は親である「東光」の障害だった問題を無くし、良い所を残して改良された品種といえます。

蜜入りリンゴといえは「こうとく」11月上旬頃からが旬の始まり
■こうとく(高徳)生産上の特徴
こうとくは青森県の木村甚弥氏が東光の自然交雑実生より選抜した品種です。果重は平均270gでやや小さい傾向があります。
実の形は円形で果皮は黄緑地に淡褐紅色の縞が明瞭に入り光沢があります。果肉は黄色で硬くミツ入り良く全体、全面に入ることもあります。
甘味は中位であるが甘さが爽やかで酸味が少なく香気が強く食味は大変良好という美味しいリンゴです。
(品種の特徴については株式会社イシドウより出典)
蜜女王「こうとく」と極ふじ(きわめふじ)
山形は寒暖の差が激しい盆地特有の気候で、りんご本来の美味しさが生じる完熟期と収穫期が見事に合致する、日本有数のリンゴの産地です。
極ふじ(きわめふじ)は特に食味が良く肉質は緻密で硬く、果汁が多くジューシー特に蜜入が良いことで食味が大変良いと生産者の中でも評価が高い。
人気の秘密は、なんといっても果肉の大半を占めるアメ色 の蜜入りりんごの生産地の山形県でも生産量が少ないため、大変希少なりんごとなっています。
「こうとく」は全面に蜜が入り、食味、香りが高いりんごとして評価が高くなってきました。
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