サビの正体は表皮の斑点
洋梨やラフランスは本来、陽の当たったものは表面に黄色がかったサビ色の出るのが特徴おまけにちょっとザラザラしています。そのようなことから、樹光を大切に考え、枝々にまんべんなく光が当たるよう樹の形を作っていくと斑点が多いラフランスが生まれてきます。
美味しいラフランスが出来る南向きの斜面が多く喜ばしいことなのですが、良く見ると一般的なものより斑点が多いように見えます。洋梨やラフランスの果皮には「さび」と呼ばれる、点の集合ような褐色の斑が多数あることが表皮をよくみると確認できます。人でいうと「そばかす」みたいなキャッチ―なアクセントともいえます。
「そばかす」は少女の可愛さとしてみると合点がいくかもしれません。このそばかす斑点の多いの金系のゴールドラフランスになるわけですから。希少なラフランスでこちらの方が美味しさも緑系を上回るといいます。
ラフランスは本来、色はグリーンから黄緑の地に暗灰色や灰褐色のサビだらけで決して美味しそうとか美しいとは言えない姿をしています。その上、形がいびつで見た目も悪いので山形ではラフランスのことを「みだぐなす」（山形弁：ぶさいく）といわれる所以でもあります。
実は緑系ラフランスの表皮にもある茶色い斑点の集積したものがサビ、ゴールド（金系）ラフランスの正体だったのです。
ラフランスの表皮に見えられる茶色い斑点の集積がサビの正体
サビが全面に広がるゴールド
ゴールドラフランスと呼ばれる洋ナシは昭和30年代に山形県園芸試験場 置賜圃場で枝変わり（突然変異）として発見されたものといわれています。
この当時ラフランスは缶詰用バートレットの交配樹として使われていただけで殆ど出荷はされていませんでしたが、香りや味がなかなか良いということで、この茶色の品種を栽培する研究が行われました。しかし、時代が缶詰用のバートレットが主流の時代で中々出番は廻ってこない中、表に出る事はありませんでした。
本来のラフランスは淡緑色の表皮をしていますが、ようく見るとこまかい斑点が見えています。この班点の密度が異常に濃いのが実はゴールドラフランスのサビ色（金色）にみえるところなのです。実は斑点が密集した斑点の集合体が茶色または金色のサビの正体だったのです。全面にサビが集積して緑色がない状態のラフランスがゴールドラフランスといわれる品種になったわけです。
かつては全体に茶色っぽくサビが発生するため見た目が悪いので「サビ果」などとも呼ばれ市場には出せないＢ級品として扱われてきました。規格外の烙印を押された代物でした。
一般的な緑系ラフランス（左）金系ゴールドラフランス（右）
金色のサビは美味しさの証かも
しかし、ゴールドラフランスの味はというと追熟させると普通のラフランスよりも舌触りが緻密でよりクリーミー、味わいがよく美味しいと当時から生産者の間では知られていたようです。
一時期は「サビ果」として蔑まれてきたゴールドラフランスですが、ゴールドラフランスのほうが食味がいいとしたらサビの正体を研究し突き詰めたとき美味しさの原点にたどりつけるかもしれません。ラフランスの更なる美味しさの品種改良に繋がる可能性も出てきます。
近年のグルメブームによりこの美味しさが発掘され、現在では「サビ果」ではなく「金系」と呼ばれるようになり、ゴールドラフランスとして市場に登場するようになったのです。
「サビ果」と呼ばれ蔑まされてきたサビだらけのそばかすラフランスがゴールドラフランスとして再評価されラフランス以上の評価がついたのです。
ゴールドラフランスは緑系よりも舌触り滑らか濃厚の食味
新品種ゴールドラフランス
今では新たな品種としての登録も完了して、正式な品種「ゴールドラフランス」として産地の果樹苗の販売会社から苗が販売されています。この「金系」ラフランスはそもそも見た目が悪いことで敬遠されてきただけに、一時は絶滅寸前までになったといわれています。
ゴールドラフランスはその木の数も少なく、生産量が少ないということもあり、希少性からも高級ラフランスとして扱われています。「希少価値は口コミから」というようにコアなラフランスファンが探し出して口コミは広がってこのゴールドラフランスを支えてきたようです。
現状の欠点といわれる、日持ちの悪いところ、玉伸び（粒の大きさ）の弱さなど改良すべき点ををしっかり改善できれば大きな未来が開けてくるのではないでしょうか。この輝くゴールドの称号を生かしてもらえることを期待してやみません。
ゴールドラフランスは見た目は美味しそうには見えない
ラフランス 金色のサビ まとめ
本来のラフランスは淡緑色の表皮をしていますが、ようく見るとこまかい斑点が見えています。この班点の密度が異常に濃いのが実はゴールドラフランスのサビ色（金色）にみえるところなのです。
実は斑点が密集した斑点の集合体が茶色または金色のサビの正体だったのです。全面にサビが集積して緑色がない状態のラフランスがゴールドラフランスといわれる品種になったわけです。
表皮に散らばる斑点がサビで、人間でいう「そばかす」というチャームポイントが人知れず口コミとなってゴールドラフランスという下積を経験して立派なスターが誕生しました。
ゴールドラフランスの気になる食味ですが、追熟させると普通のラフランスよりも舌触りが緻密でよりクリ―ミー、味わいがよく美味しいと当時から生産者の間では知られていたようです。
見た目の悪いラフランスの中でもひときわサビ色にざらついた表皮のゴールドラフランスのほうが美味しいと、口コミが広がり枝変わり（突然変異）を見つけた当時から言われていました。
▼ラフランスの収穫10月中旬 天童市
