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あんぽ柿と干し柿のお話し

あんぽ柿 干し柿 渋柿

あんぽ柿の分類と特徴


一般に市販されているあんぽ柿は渋柿を硫黄で燻蒸して乾燥させる独特の製法で作られる。あんぽ柿は、鮮やかなオレンジ色が特徴で、水分率は50%と水分をたっぷり含んでいます。食感はゼリーのようにソフトで力があり柔らかく、甘みが強いのが特徴です。

 

また多くの干し柿は水分が25~30%と固くなり保存性が高い特徴があり一般に、ころ柿と呼ばれます。時間が経過すると糖分の粉を白く吹く「ころ柿」などと呼ばれる干し柿となります。

 

これに対してあんぽ柿は、完全に乾燥させず、半分生のようなジューシーな感触で、ゼリーのように柔らかいのが特徴。水分が50%ほどの生に近いことから、普通の干し柿とは異なり長期保存ができないので、硫黄で燻蒸して保存が効くようにしたものです。

 

硫黄は乾燥中に揮発するため果肉には毒性はありません。カリウム、ビタミンなどの栄養素を豊富に含んでいる。柿の濃厚な味と香りと食感が残り、食味はねっとりと柿の特徴を残した味が人気です。

 

庄内柿 種なし柿 サムライ柿

庄内柿は庄内藩の幹部が育成し普及した珍しい種なしの柿


あんぽ柿の品種はどんな柿


あんぽ柿の原料は主に、蜂屋柿(はちやがき)や平核無(ひらたねなし)などの渋柿を使用します。特に、蜂屋柿は大粒で柔らかく、平核無は小粒で甘みが強いのが特徴です。

 

あんぽ柿は、蜂屋柿や平核無柿を使用して作られることが多く、あんぽ柿作りに使われる柿は、水分が少なく糖分が多いもので、果肉のわりに種は小さく少ないものが適しています。

 

あんぽ柿もころ柿にするにしても渋柿は渋み成分にはタンニンがあり、甘みは強くなります。糖度を比較すると甘柿(渋柿ではない柿)の糖度は16度前後ですが、渋柿は20度前後にもなります。この渋柿を干すことにより渋みと水分が抜けて、糖度が50度にもなるのです。

 

あんぽ柿は、ビタミンAが生柿の時より2倍以上に増えます。ビタミンAには皮膚や粘膜を丈夫にする働きや抗酸化作用による代謝・免疫力UPが期待され、風邪やがん予防にも効果的だと言われています。

 

あんぽ柿 干し柿 渋柿

あんぽ柿は色の濃いものを選びましょう。


 

美味しいあんぽ柿の選び方


良いあんぽ柿は色で見分けましょう。黄色っぽいあんぽ柿よりも赤みの強いオレンジ色のものを選ぶことをおすすめします。黄色っぽいものは、まだ未熟なうちに収穫した柿の実で作られたものになります。濃いオレンジ色のあんぽ柿は、樹上完熟した実であり、柔らかくジューシーな食感が楽しめます。

 

なぜこの違いが生まれるかというと、加工する前の柿の熟度が影響しているようです。未熟で収穫し、早めに加工を始めてしまうと黄色く、甘みも弱く、果肉の食感も弾力もイマイチで、食感も弱く噛み切りづらい感じになります。

 

黒や白い点があるのは糖分だったり柿本来のものなのでお気になさらず。異物混入にはどこの生産者の方も細心の注意を払っており、チェックする工程がいくつかあり、製品になります。

 

ですから、お店であんぽ柿を選ぶ時はトレーに数個入って売られている場合もあるので、できるだけオレンジ色のものが多い商品を選びましょう。

 

庄内柿 種なし柿 渋柿

庄内柿などの柿の栄養成分か豊富、ビタミンAやC、食物繊維も沢山含有


なぜ干し柿は糖度が高い


単純な疑問が浮かびます。渋柿を干すと、なぜ甘くなるのでしょうか。渋柿には渋みの元のタンニンが含まれているので、そのままでは渋くて食べられません。しかし乾燥させると柿の渋味成分のタンニンが不溶性に変化し、つまり水に溶けなくなります。

 

柿タンニンが可溶性から不溶性のタンニン変わることを渋抜きと呼び、渋抜きすることで、もともと高い糖度をもつ渋柿の甘さだけがひときわ強く感じられるようになるのです。脱渋のメカニズムからもわかる通り、渋柿はタンニンという可溶性のタンニンの渋みに隠れていますが、本来の糖度は高いです。

 

通常、甘柿(渋柿ではない柿)の糖度は16度前後ですが、渋柿は20度前後あります。この渋柿を干すと渋みと水分が抜けて、不溶性のタンニンに変わると糖度が50度にもなるのです。

 

ちなみに、干し柿の表面に付着している白い粉は、柿の身の糖分が結晶化したもので、ブドウ糖や果糖などです。渋みも水分も抜いた干し柿の甘さは驚異的に高くなり糖度は、甘柿の3〜4倍、砂糖の1.5倍にもなるといいます。

 

あんぽ柿 干し柿 渋柿

人工の遠赤外線で干し工程を機械化したあんぽ柿


 

渋柿の渋を抜いた生柿も


甘柿も干せば干し柿になりますが、不思議なのですが甘柿は渋柿ほど糖度が上がらないのです。甘柿でつくった干し柿は糖度が上がらず、果肉が劣化し易くなります。

 

甘柿でつくられる干し柿は渋柿と比べると色の薄く、美味しさも劣るので商品価値は低くなります。

 

したがって、干し柿の原料が渋柿なのは、渋柿の方が渋み成分のタンニンが乾燥する工程で、可溶性から不溶性に変化をして糖度が高くできるからなのです。

 

結論から言うと、干し柿の糖度を高く、美味しい干し柿にするには、

 

●基本的に渋柿を使う。

●樹上完熟した渋柿を使うほど糖度も品質も高まる。

 

どんな商品でも素材をいいものにしない限りいい商品には仕上がることはないといえましょう。

 

やまと柿 干し柿 蔵王干し柿 

干し柿には食物繊維が豊富、腸内環境を整え免疫力にも


 

渋柿の色んな脱渋方法


渋柿の渋を抜くには、干すほかにも方法があります。焼酎などのアルコールをヘタの部分につけてビニール袋で密封して3、4日するとタンニンが不溶性に変わり渋が抜け甘くなります。ただし、その時期、部屋の温度が低すぎると渋が抜けにくいので常温で放置し時間を2-3日長く取ります。

 

実は一番簡単なのは約40℃の湯の中に一晩漬けておいても渋が抜けます。しかしこの方法は温度管理が難しいのが難点で、脱渋にムラが出やすくなりますので注意がいります。

 

炭酸ガスを使っても渋が抜けますが、一定の規模に合った炭酸ガスを注入する設備が必要です。大規模にやるときはドライアイスを使っています。

 

庄内柿 種なし柿 渋柿

庄内柿の里、松ヶ岡は幕末に開墾された耕地に庄内柿を植えた


 

庄内柿の脱渋は焼酎と炭酸ガス


山形県の庄内柿も品種は平核無(ひらたねなし)という渋柿です。庄内柿は品種名ではなく商品名といえます。庄内柿も脱渋の方法はいろいろ工夫しているようで、基本は、焼酎で渋抜きする方法と炭酸ガスで脱渋する方法があります。

 

それぞれに一長一短あり、美味しいのは焼酎ですが、日持ちが短く柔らかくなりやすい欠点があります。炭酸ガスは日持ちするし果実の劣化が遅い長所がありますが、焼酎より美味しさで劣るといいます。

 

こうして渋抜きすると、元は渋柿でもすぐ食べられる甘柿として提供できます。広島県の西条柿、愛媛県の愛宕柿、愛知県の筆柿などは渋抜きされて出荷されていますが、元々は渋柿です。

 

群馬県の「あずま樹上柿脱渋柿」は、枝に成った柿の実に脱渋剤を入れたポリ袋をかけるという特殊な渋抜き法です。

 

▼干し柿日和 山形県上山市

 

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