さくらんぼ 佐藤錦と宅急便の出逢いが|味の農園
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くだもの歳時記

さくらんぼと宅急便の出逢い

完熟さくらんぼ 佐藤錦 山形さくらんぼ

 

佐藤錦が通信販売のきっかけ


味の農園の通信販売を始めるきっかけは、山形県の特産品や農産品を全国にお届けして多くの皆様にお客になってもらいたいとの思いから、昭和62年に郵便局の「ふるさと小包」事業に参加することから始まりました。


参加してみるとさくらんぼ」はとても全国的に人気の高い商品であることが解かりましたが、さくらんぼの「ふるさと小包」は一方でお客様からのクレームも多い商品であることも思い知らされました。


特に品質に対しての苦情は「腐っていた」「傷んでいた」「つぶれていた」などの内容がありました。つくづく、品質管理が難しいデリケートな商品であることは明確でしたが、さて問題解決を図るにはどのようにしたらいいのか、それほど簡単な問題ではない事が段々判ってくるのでした。

 

▼佐藤錦の収穫からお届けまで

さくらんぼ佐藤錦 サクランボ 山形さくらんぼ

さくらんぼは傷みやすいデリケートなくだもの輸送方法は大切に


 

熱心な生産者と共に通販30年


「お客様に山形の美味しいサクランボを収穫したそのままの美味しさを届けたい。」との想いで今まで、この言葉を目標に取り組んできました。私たちが約30年取り組んできたサクランボに対する思い入れをご紹介しながら、サクランボの扱い方など考え方をご紹介してご理解を深めていただければと思います。


まずいえることは、サクランボはトマトなどのように収穫してから追熟して色着きが良くなる事や美味しくなる事はありません。収穫した時がいちばん美味しい瞬間で、そこを頂点としてすこしずつ鮮度とともに食味も下がっていくくだものです。 

この点が他のくだものとは大きく違う特徴です。ですから、朝採りしたサクランボを出来だけ早くお客さんにお届して、出来るだけ早く食べていただくことが理にかなったことになります。

 

完熟さくらんぼ 佐藤錦 山形さくらんぼ

生産者の皆さん、阿部果樹園にて


 

完熟 朝採れを当日出荷する


やはり、「腐っていた」「傷んでいた」を簡単に解決するには早もぎ、「1、早めに収穫する」と思うのですが、それでは味が今一で「2、完熟で美味しい」さくらんぼは届きません。


ギリギリまで樹の上で完熟の状態で収穫した美味しいサクランボをお届けしたいという思いで収穫すると、一気に完熟する最盛期は一部に過熟のものが混じる事もあるが現実です。このジレンマをどのように矛盾なく結果に結び付けるかが大きな課題として存在しています。


ほぼ完熟してしかも美味しく「傷んでいた」「腐っていた」のクレームのない状態の品が理想なのです。毎年性質が違うサクランボをサクランボの状態を視ながら完熟でお届けすることがお客様にとってのベスト状態であり私たちにとっての何より難しい課題であり、ここにプロとしての意識が高まるところでもあります。

 

▼宅配各社取扱個数と前年対比

さくらんぼ発送 山形さくらんぼ 佐藤錦

令和2年度 宅配便取扱個数(国土交通省調べ)より引用


 

全さくらんぼ 検品して発送する


そしてサクランボの品質を高めるためには、サクランボにストレスを与えないように、早朝5時から遅くとも10時頃までで、収穫作業は終了します。そして朝採れサクランボを待っている人たちにその日のうちに発送します。


発送を開始するシーズン直前に生産者から集まってもらい予め、色合い、大きさ、熟度を出荷前に確認する「出荷事前ミーティング」という研修会を始めました。生産者から協力をしてもらうために品質について申し合わせをして品質を一定のレベルにしたいと考えてのことです。


そして発送時にはベテラン担当者が1箱ずつ全てのサクランボの品質を確かめるために箱の中身を開けて検品してから発送する体制になっています。問題があれはすぐに返品出荷停止もあります。このような体制が完成して多くの問題は解決されていきましたが、全てが解決された訳ではありません。

 

さくらんぼ通販 紅秀峰通販 佐藤錦

さくらんぼの発送に適しているのは紙の箱がいいのだと確信


 

たび重なる失敗から学ぶ


ゆうパックは1983年に始まったとされますが、私たちがふるさと小包を始めた1987年ではクール便も整備されていませんでした。度重なる失敗をたくさん経験しました。ふるさと小包でさくらんぼを受注するゆうパックは半ば義務化されていましたから、常温便のゆうパックでサクランボをお送りするしか方法はなかったのです。


やはり、ゆうパックでのサクランボには配送品質に問題があり、クレームの問題もヤマト運輸の宅急便と比べると多かったこともあり、困り果て、考え抜いた末の取り組みでした。


私たちは、「鮮度の良いままでお届けしたい」という問題意識から山形県でいち早く、発泡スチロール箱蓄冷剤を入れて発送することに大きな期待を持って臨みました。しかし、結果は期待した結果とは程遠い内容で、5年ほど続けた後、明確な改善にはつながらず断念することになりました。

 

 

▼山形さくらんぼの品種構成

さくらんぼ品種 山形さくらんぼ 佐藤錦

資料:山形県


 

さくらんぼのデリケートな特性


具体的な原因として「発泡スチロール箱に保冷財」は保冷剤による結露が傷みの原因に、問題は、外気と箱の内部との温度差が大きいと、湿気を呼び結露して内部のサクランボが傷みやすくなる事でした。


湿気を防ぐ新素材なども試してはみましたが内部の湿度を下げる決定的な解決はできないことがわかりました。一見、冷やす事で鮮度を保持できると思いがちですが、その日の気温や湿度が大きく関わっているのです。


またゴミ処理の問題からも発泡スチロールの箱には問題がありました。この事は後々考えると無駄ではなく「紙」という素材の吸湿性という機能を改めて見直すきっかけになりました。ここでの教訓としてはサクランボは温度変化によって生まれる結露によって傷む」ということでした。

 

 

サクランボ 佐藤錦 完熟さくらんぼ

常温便は冷暗所にクール便は冷蔵庫野菜室に


 

配送の基本は常温便で冷暗所


あくまでもさくらんぼ配送の宅急便の場合の基本は常温便でお送り、ある一定の温度、湿度の条件になったらクール便に一斉に切り替える、温度変化とクール事故を考えて出来る限り「常温便」で送ることが原則です。 

シーズン当初はお客様のご希望がない場合は常温便でお送りするようにお勧めしています。後半は、気温が30℃を超えてくるとクール便に切り替える決定を下します。一番いいのは現場の判断にお任せいただくことだと思っています。こちら山形の天気と全国の天気予報を入念に調べながら、いつからクール便にするのか決めています。

 

▼宅配各社取扱個数シェア

さくらんぼ発送 クール宅配便 佐藤錦

令和2年度 宅配便取扱個数(国土交通省調べ)より引用


さくらんぼクール便は万能か


実はクール宅急便は万能ではありません多くの生鮮食料品にクール便宅急便は有効な手段です。私たちも積極的に利用しますが、無条件に信用しているわけではないのです。それはクール便による事故が起きるのは、こんなケースです。


ある日りっぱなサクランボを自信を持ってクール便で発送してお客様から翌日「ひどいサクランボが送られてきた!」とお叱りの電話を頂くことがあった。担当者が何とかサクランボの状態をお聞きするとみんな黒ずんで傷んで食べられない」というお話しが、実は「クールヤケ」という現象です。まずはお客様にお侘びして、代品をすぐに手配してお送りする旨をお伝えします。


そして、すぐに同じ日に同じ便で発送したお客様にお電話して、ご贈答であれば、客様のご了解を得て、贈答先へ電話して確かめます。すると決まって同じこと起きていることをあるとき発見しました。

 

さくらんぼ通販 佐藤錦 紅秀峰

容器から出しキッチンペーパーに包むと保存性が高まる


佐藤錦の全国区に貢献 宅急便


また、ヤマト運輸の創業者、小倉昌男氏の取組んだ「宅急便 1976年全国への個別宅配事業」もさくらんぼの生食の発展には大きな貢献をしたことは忘れてはいけません。「佐藤錦」というサクランボが知名度を高めた一因になっています。痛みやすいデリケートなサクランボを個別のお宅にお届けするシステムはそれまでありませんでした。


50年前のさくらんぼ配送方法とは「当時、一般個人がモノを送るためには郵便局に荷物を持っていく必要がありました。それでも郵便局が受け付けてくれるのは6kgまで。それ以上の場合は、しっかり梱包し紐をかけ、荷札をつけて国鉄の駅に持ち込まなければいけなかったのです。


こうした状況を振り返ってヤマト運輸創業者、小倉昌男氏は「私は、このマーケットは大変おもしろいと思っていた。なぜなら、競争相手がいないのです。一応2社あるが、どちらもあまりサービスが良くない。田舎から柿を送っても、東京に何時着くのかはっきりしない。ここへ参入すれば、必ず成功すると確信しました(後略)」と述べています。」


(参考:ヤマト運輸、「宅急便40年のあゆみ」)

 

 

完熟さくらんぼ 佐藤錦 山形さくらんぼ

さくらんぼは温度変化に弱いデリケートな存在


 

さくらんぼ 宅急便出逢い まとめ


生食で美味しい「佐藤錦」という品種の誕生。この後、佐藤錦は少しずつ出荷量を伸ばし、1970年代頃から缶詰用の加工用サクランボから生食用のさくらんぼに需要が変化します。山形県さくらんぼ、佐藤錦は一気に全国区に躍り出ることになるのです。


今まで缶詰加工一辺倒だったサクランボのニーズが1970代に変化を見せはじめます。そこには生食で魅力を発揮する新品種「佐藤錦」の登場と「鮮度がいのち」である生鮮食料品を全国にスピーディーに配達するヤマト運輸の「宅急便」(昭和51年、1976年誕生)の出会いは見逃す事はできません


宅急便の誕生でさくらんぼの生食用の「佐藤錦」としての価値が一気に全国規模に広がっていくのです。そして1980年代の「グルメブーム」が追い風を強めていきます。


このようにして「佐藤錦」という品種によって山形産サクランボは「さくらんぼ王国やまがた」に上りつめていくことになるです。 母の日ギフト、父の日ギフト、お中元の商品として宅配ギフトが年々増加し安定的にサクランボ、佐藤錦の需要は高まって行く背景には佐藤錦と宅急便の出逢いがあったのです。宅急便なしにサクランボは語れない存在感があります。

 

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